ワーホリや留学から帰国して、久しぶりに日本の友達や知り合いに会った時に「海外かぶれ」と言われたり、同じように海外から帰国した人に対して「あの人海外かぶれだな」と思ったりしたことのある人は意外と多いのではないでしょうか。
そもそも海外かぶれとはどういった意味があるの?
海外かぶれって悪いこと?
帰国後にそんな居心地の悪さを抱くのはあなただけではありません。
おそらく海外生活を経験した誰もが多かれ少なかれ感じるもの。
今回は、海外から戻ってきた人が言われる「海外かぶれ」や帰国後に味わう日本での違和感について紹介します。
帰国してから逆カルチャーショックを感じたり、なんとなく居心地の悪さを味わったりするあなたの背中を押す内容です。
そもそも「海外かぶれ」って何?
海外かぶれのはっきりとした定義はない
「海外かぶれ」という言葉は、SNSや海外情報のニュースなどで見かけますが、はっきりとした定義を知らなかったので調べてみました。
すると、検索結果には目を覆いたくなるようなタイトルがずらっと並んでいるんですよね(笑)
中にはもはや言いがかりのような内容すら見受けられると、なんだかなあと思ってしまいます。
私はカナダに約2年いましたが、帰国して久しぶりに会った友達から「海外かぶれしているねー」と何気なく言われた時には正直ショックでした。
そんなつもりはないし、自慢話をしているわけではないのに、相手にそんな風に受け取られてしまうなんてとがっかりしたことを覚えています。
いろいろと調べてみた結果ですが、海外かぶれに関するはっきりとした定義はありませんでした。
強いて言えば、海外の文化や習慣をこれ見よがしに見せびらかしたり、日本の文化を卑下したりする人のことをさすのでしょう。
「海外かぶれ」って悪いこと?
調べれば調べるほど謎が深まる海外かぶれ。
では、海外かぶれと言われることは検索結果が言うように悪いことなのでしょうか?
海外かぶれとは『日本以外の感覚を持ち合わせている』ということ
これは私の意見ですが、海外かぶれとは『日本以外の感覚を持ち合わせている』ことだと思います。
それを相手にみせびらかしたり、日本と比較して海外の方が勝っているかのように表現する領域までいってしまうと、それはただの嫌味な人です(笑)
海外にいると、その国の文化や習慣を目の当たりにして、次第にその文化が自分のものになり、習慣化していきますよね。
英語だって最初は喋れなかった人でも、生活していく中で必要に迫られて少しずつ話せるようになります。
でも、あなたが日本人であることは変えられない事実ですし、どんなに英語が上手になって現地の文化や習慣を身に付けたとしても、ネイティブにはなれません。
そうすると、ネイティブではないけれど、海外の感覚を持ち合わせている海外かぶれの状態になるのではないでしょうか。
褒め言葉として受け取って流してしまおう!
嫌味や故意はなくても相手から「海外かぶれ」と言われてしまった人。
ぜひ、その海外かぶれの言葉は褒め言葉として受け取って流してしまいましょう。
歴史を振り返っても、江戸時代、明治から大正、昭和と日本に欧米の文化が入ってきて、洋服や洋食といった欧米の文化が入ってきた時、それを「ハイカラ」といって憧れる人もいれば「日本人らしくない」という人もいましたよね。
あなたが今「海外かぶれ」と言われていることも、あと何十年かすれば当たり前のことになっていたり、主流な文化になっていることも考えられます。
気にせず、褒め言葉として受け取ってしまいましょ!
カナダから帰国して驚いた日本の文化や習慣10選
私がカナダから帰国して驚いた日本の文化や習慣。
日本にいた時には当たり前のように感じていたことでしたが、カナダでの経験を踏まえると、決して当たり前ではなく、日本独自のものであることもたくさん!
そこには新たな発見や驚きがありました。
たくさんありますが、今回はその中から10個を選びました。
恐らくカナダに限らず、海外経験のある人なら「あるある」と思ってしまうような内容ではないでしょうか。
1、電車やバスの車内が静か!
1つ目は、電車やバスといった公共交通機関の車内が静かなこと。
カナダの交通機関の車内では、電話をする人もいましたし大声で話す人もいたので、車内はかなりにぎやかでした。
でも、誰もそれに対して怒らないんですよね。
それが当たり前だからなのでしょう。
中には、電車の中でピザやお菓子を堂々と食べる人もいました。
「匂いが…」と私は気になりましたが、そんなことを気にする人も少ない様子。
どんなに満員電車でも静かな日本人のマナーの良さには改めて驚かされました。
2、時間やマナーを守る人が多い
2つ目は、時間やマナーを守る人が多いこと。
よく、海外の人は時間を守らないという話がありますが、正しくは”守る人も一定数はいるが、時間を気にしない人も一定数いる”でしょう。
私が通っていた語学学校は、スタートが9時だったのですが、先生でもクラスに来るのは8:58とか9:00ぴったり。
時間通りに始まれば良い方。
月曜なんて出席率が極端に低くて、15人のクラスで出席しているのは5人ということもありました。
(しかも5人中3人が日本人)
”10分前・5分前行動”といった集合時間より少し前に行動するのが社会人の常識とされる日本の文化は、海外からすればありえないものです。
カナダでは、路上にゴミを堂々とポイ捨てする人や、バスの座席の裏にガムを張り付けるなど、マナーの低さも見かけることがありました。
日本の清潔や時間に正確な文化は改めてすごいと思います。
3、歩きタバコをしている人がいない
3つ目は、歩きタバコをしている人がいないこと。
日本では喫煙者の肩身が狭くなるルールが次々と決まり、禁煙する人も増えているとか。
カナダは歩きタバコに限らず、歩きマリファナをしている人もいました。
カナダは2018年からマリファナ(大麻)の使用・所持が合法になりました。
ただし、日本人はカナダに行っても日本の法律が適用されるので、マリファナの使用・所持は違法です。
参照:在カナダ日本国大使館HP
マリファナの臭いはタバコとは違い、なんとも表現しにくい独特の臭さをしています。
ちなみに私は、カナダに着いて1週間でマリファナの臭いを認識できるようになったので、何度か嗅げば認識できると思います。
タバコやマリファナといった煙をもくもく吹いている人がそこらじゅうにいる環境は、正直健康的ではありませんよね。
もちろん、場所によっては分煙化されている所もありますが、日本ほど多くはありません。
日本では、居酒屋やバーといった場所でも分煙化が進んでおり、非喫煙者にとってはとても過ごしやすい環境だと思います。
最後まで好きになれなかったマリファナの匂い。
HSPの私がカナダで感じたストレス要因のひとつです。
HSPの私がバンクーバーで暮らしている際に感じたストレスとその対処法を紹介しています。
4、屋外でアルコールを飲んでいる人が多い
4つ目は、屋外でアルコールを飲んでいる人が多いこと。
BBQやお花見、キャンプといった屋外のイベントにアルコールは欠かせないと思ってしまいますが、カナダでは屋外でアルコールを飲むことが禁止されていました。
夏の暑い日差しの中ビーチにいたらビールでも飲みたくなりますが、もしアルコールを飲んでいるのを見付かると罰金という、なかなか厳しい処置を取られます。
2021年現在は、都市や場所によっては屋外の公共の場所でもアルコールが飲めるように変わりつつあります。
聞いた話ですが、あるカナダ人はマックのドリンクカップにビールを移し替えて飲んで、パトロールしている警察官から怪しまれないようにしているとか…。
それに対して日本は電車の中でもチューハイを飲んでいたり、コンビニの前でビールを飲んでいたりと、外でお酒を飲んでいる人の多さに改めて気付きました。
5、街中にホームレスがいない
5つ目は、街中にホームレスがいないこと。
カナダに行った時には、街のあちこちにホームレスがいるのが驚きでした。
私が渡航したのはバンクーバーでしたが、バンクーバーのホームレス事情については別の記事で詳しく紹介しています。
6、チップがないのにサービスが丁寧!
6つ目は、チップがないのにサービスが丁寧であること。
カナダはチップ文化の国なので、レストランやバーでサービスを受けた場合、それに対するチップを合計の金額に10~15%加算しなければなりません。
サービスの良さによってチップの割合が変わるので、サーバーもより良いサービスを提供し、高いチップをもらおうとします。
なので、カナダで外食する時にはなかなかお金がかかりました。
普通に料理とドリンクだけでも物価が高いので、さらにチップ…高い。
ですが、日本はチップもない、物価も安いので、帰国してから外食すると、その安さに驚きました。
そして、サービスに対する対価が支払われるわけでもないのに、日本のサービスは本当に丁寧!
まさに”お客様”として扱いますよね。
時には過剰とも感じるほど。
チップ文化の良し悪しは置いておいて、チップを払わなくても良いのは消費者としては嬉しいです。
7、コンビニの店舗数が多い!そして24時間営業
7つ目は、コンビニがあちこちにあり、24時間営業であること。
カナダにもセブンイレブンはありましたし、ローカルなコンビニもありましたが、日本ほどの店舗数はありませんでしたし、平日は8時まで、土日は休みといった営業時間でした。
それが、日本はコンビニがあちこちにあって、いつでもどこでも欲しいものが手に入る!
最近ではコンビニスイーツやコンビニカフェといったクオリティーまで上がってきている。
感動でした。
8、ファッションはおしゃれだが個性はない
8つ目は、ファッションがおしゃれだけれど個性がないこと。
急にネガティブな表現になりました。
おしゃれだけれど、個性がない。
カナダで生活している時、私の普段着はパーカーにデニムかチノパンみたいなスタイルでした。
もちろん、毎日着替えていますし、洗濯だってしていました。
ただ、自分が一番快適で動きやすい服装をしていただけです。
ヘアスタイルもメイクもそこまでこだわらず、パパっと支度ができる程度でした。
それが日本に帰国すると、みんなきれい!
髪もきれいに巻いてあって、手入れされたネイルやヒール。
ファッションはしっかりトレンドを抑えたスタイルで。
本屋にいくとファッション雑誌が『今季のトレンド!』とその時期の流行を知らせています。
その人が快適に感じるかどうかや、好みといった物は関係ないんですよね。
日本のおしゃれの概念って、きれいだけれど個性は消されるんだなとも感じました。
9、過剰包装やプラスチック製品が多い
9つ目は、過剰包装やプラスチック製品が多いこと。
カナダのスーパーの野菜売り場には、果物や野菜が個包装されずに陳列されていることが多いです。
一方で日本だと、ほうれん草も大根も、全てがプラスチックのビニール袋で包装されていますよね。
ニンジン1本がプラスチック袋に包装されているのを見かけると、過剰包装にも限度があると思ってしまいます。
最近は日本でも、プラスチックのストローを提供しないカフェが増えたり、レジ袋が有料になってエコバッグの携帯を促す風潮が高まったりしていますよね。
日本にずっといる時は当たり前に感じて過剰包装の文化は、カナダのスーパーを体験したことで、異常だったことに気付きました。
10、小雨でも傘をさす
最後は、小雨でも傘をさすこと。
逆に言えば、カナダにいた時には雨が降っても傘をささない人が多いことに驚きました!
土砂降りレベルになれば傘をさしますが、それほどでなければパーカーやフード付きジャケットなどを被って普通に歩いています。
※少ない雨でもしばらく外にいれば結構濡れます(笑)
理由を聞くと「邪魔だから」「そんなに気にならない」といった理由が多かったですが、もうこれは文化と習慣のちがいとしか表現できませんね。
まとめ
私は、海外も日本もどちらもそれぞれに良いところと欠点があると思います。
だから、その両者を知っている帰国者は、ある意味最強の感覚を持ち合わせているといえるのではないでしょうか。
「海外の感覚が正しい」「日本がまちがっている」というジャッジではなく、「これは海外の感覚がいいかも?」「日本のこんな感覚、すてきだな」とそれぞれを融合させることができたら最高ですよね。
海外で得た経験や感覚を、誰かに自慢するための道具にするのではなく、自分や身近な人の生活をより良くするために使えたら、いろいろな可能性が広がると思います。
ポイント
<海外かぶれって何?>
・海外かぶれのはっきりとした定義はない
<海外かぶれって悪いこと?>
・海外かぶれとは『日本以外の感覚を持ち合わせている』ということ
・褒め言葉として受け取って流してしまおう
<カナダから帰国して驚いた日本の文化や習慣10選>
1、電車やバスの車内が静か
2、時間やマナーを守る人が多い
3、歩きタバコをしている人がいない
4、屋外でアルコールを飲んでいる人が多い
5、街中にホームレスがいない
6、チップがないのにサービスが丁寧
7、コンビニの店舗数が多い!そして24時間営業
8、ファッションはおしゃれだが個性はない
9、過剰包装やプラスチック製品が多い
10、小雨でも傘をさす
・海外かぶれ うざい
・海外かぶれ きらい
・露出が激しい メイクが濃い 海外かぶれ