カナダのワーキングホリデーに興味はあるけれど、メリットやデメリット、カナダにワーキングホリデーをする価値などが気になる人は多いのではないでしょうか?
2020年8月現在、日本は世界26カ国とワーキングホリデー協定を結んでいます。
その渡航先の中でも人気の高いカナダ。
実際にバンクーバーにワーホリに行った筆者がカナダのワーキングホリデーで得られるものを紹介していきます。
※記事内のカナダドルの円換算は1カナダドル=79.15円
(2020年8月9日時点)
カナダワーホリの5つのメリット
1、世界各国の様々な文化や価値観を持った人に出会える
多民族国家のカナダでは、世界各国から集まる様々な文化や価値観を持った人に出会うことができます。
旅行や留学目的でも様々な人との出会いを経験することができますが、やはりある程度の期間、実際にその社会で生活したり働いたりしてみないと分からないことはたくさんあります。
その点、ワーキングホリデーは一年間滞在できて、さらにカナダで働くこともできるので、より深くカナダで暮らす人々を知れます。
特に、宗教や文化の違いを感じる機会は多く、改めて世界にはいろいろな人がいるんだということを実感します。
イスラム教のモスクやキリスト教の教会など、宗教色の強い建物を見かける機会が多くあります。
また、宗教上の理由で肉を食べない人や、ヴィーガンやベジタリアンなど食事に対する価値観も多種多様です。
そういった宗教や価値観の違いが当たり前のこととして受け入れられるのがカナダです。
2、訛りのない英語を習得できる
カナダの英語は訛りがなく、日本人が学校で習うアメリカ英語であることから、初心者でも習得しやすいです。
また、移民国家なので、英語を第二言語とする人も多いです。
つまり、ネイティブの発音だけではなく、インド訛りやスペイン語訛りといった世界各国の訛りのある英語も普段から耳にします。
訛りのある英語の発音も理解できるようになると、コミュニケーションの幅が広がるだけではなく、仕事でいろいろな海外の人とやり取りをする際に役立ちます。
これからの社会に役立つ英語力を身に付けられるのもカナダのメリットです。
3、カナダの大自然を満喫できる
そもそもワーキングホリデーは下記のように定義されています。
休暇目的の入国及び、滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための
(外務省 ワーキング・ホリデー制度概要 参照)
付随的な就労を認める制度
つまり、ワーホリ中にカナダ国内を旅行しないのはもったいないということです!
旅行資金を補うための就労が公に認められているのですから、もうこれは旅行しないわけにはいきませんね。
カナダは世界で2番目の国土を持つ広大な国。
とても1、2週間では全てを見尽くすことはできません。
ワーキングホリデーの一年間でも、カナダの大自然を全て味わうのには時間が少ないですが、それでも旅行で来るよりももっとカナダを味わえるのは確実です!
カナダをよく知る人からおすすめの場所や旅行のコツなどを教えてもらうこともでき、ガイドブックに載っていない隠れた名所を発見することもできます。
よりカナダを深く味わえるのは、カナダのワーキングホリデーならではのメリットです。
4、日本とカナダの働き方の違いを知れる
カナダで働いてみると、様々なシーンで日本との違いを見ることができます。
例えば…
●9時始業だったら、出勤は8時58分。なんなら9時01分
…自分の仕事をしっかりこなせば多少の遅刻は問題ない
●家族の誕生日やお祝いごとの日は有給や半休を取る
…自分や家族のことが最優先事項!
●新卒採用という概念がない
…新卒一括採用の文化がない。即戦力が求められるのでインターンシップ必須
●どんどん転職していく
…転職は当たり前。キャリアアップのために条件の良い会社を見つけてどんどん転職する。
●サマーバケーション、ホリデーバケーション…バケーションの日数とバリエーションが豊富
…とにかく休みたい(笑)
●できないことはできないし、お客さんの言いなりにもなりません。(笑)
…「お客様は神様」ではない。対等の人間。
など
総じて言えるのは、日本で当たり前とされている働き方とは全く異なります。
もちろん、カナダで働いている人たちもお金を稼ぐために働いていますが、仕事ありきの人生というよりは、あくまで人生を楽しむために仕事をしている。
という印象があります。
仕事終わりにジムやランニングをして体を動かしている人もいれば、バーやレストランで同僚や友達と食事を楽しんでいる人もいる。
そんな景色が平日の夕方からあるのは、なんだか幸せです。
5、将来性がある
カナダのワーキングホリデーには将来性がある。
というと、まるでワーキングホリデーで人生が変わるような印象になりますが、大きな意味で言うと、人生の選択肢が広がるということです。
私は、カナダにワーキングホリデーに来て今の職場で採用が決まりました。
マネージャーのサポートもあり、就労ビザを取得してワーキングホリデーが終わった後もカナダで働ける道が広がりました。
就労ビザを取得したからといって、これからの将来がバラ色になったかというと、決してそのようなわけではありません。
これから先どうしていこうか。
ということは毎日のように真剣に自分と向き合いながら考えています。
そもそも、渡航してきた当初は私は一年の期限が終わったら日本に帰国するつもりでいました。
人生のひとつの経験としてカナダに来たつもりが、一年間で様々な経験をし、新しい価値観に出会う中で、私の考えも徐々に変化していきました。
カナダにワーキングホリデーに来る人のほとんどが30歳以下の若者で、将来を考えている世代です。
そういった世代がカナダに来て、いろいろな刺激を受けることは、将来の可能性を大きく広げます。
カナダワーホリの3つのデメリット
1、意識しないと日本語ばかりの生活になってしまう
別の記事でバンクーバーの日本人率の高さについて紹介しています。
カナダには、都市や地域によって日本人が多く集まっているところもあります。
特に、語学学校には多くの日本人がいます。
友達をつくりやすいというメリットもあるのですが、意識しないと日本語ばかりの生活になってしまう可能性があるのです。
職場によっては、ほとんどのスタッフが日本人という完全な日本人環境のところもあります。
友達も同僚も日本人。
ルームメイトも日本人。
意外と起こりやすいシチュエーションです。
そうなると、英語を話すのは本当に限られた時のみになってしまいますね。
2、都市によっては冬の寒さが厳しい
カナダは西と東で気候が全く異なります。
西側のバンクーバーは年間を通して比較的気候が安定しています。
冬でも雪が降ったり氷点下まで冷え込むことはほとんどありません。
一方で、東側のトロントやモントリオールの冬はまさに極寒。
10月頃から雪が降り始め、-20℃という見たこともない気温になる日も多いです。
日本の防寒具では寒さをしのげないので、現地の本格的な防寒具を揃える必要があります。
寒さが苦手な人にとって、そういった都市での生活は辛いでしょう…。
3、物によっては物価が高い
カナダは州ごとで税率が異なります。
物によっては消費税がかからない物もあり、一概に全てが高いというわけではありません。
ただ、日本の物価と比べると高く感じる物が多いです。
中でもトイレットペーパーやキッチンペーパーなど紙類の単価は日本よりも高く感じます。
また、安ければ安いで、質が悪いです。
日本の100均的なお店もあるのですが、そこで買ったシャーペンは1週間で壊れました。(笑)
ジャパニーズクオリティーに勝る物は世界中探してもないのかもしれませんね。
カナダワーホリで得られるもの
ここまでワーホリの特徴やメリットとデメリットを客観的に見てきました。
ここからは本題であるカナダのワーキングホリデーで得られるものを紹介します。
1、自己肯定感
私がカナダのワーホリで得た最大のものは自己肯定感です。
自分に対して誇りを持てる。
「私ならできる」と自分を信じられる感覚。
それが自己肯定感です。
小さなステップをクリアにしていく中で成長を実感できる経験は、大人になってから味わったことのないような達成感があります。
そして何よりも、周りの人がよく褒めてくれるんです。
こんなに褒められたこと今までの人生で初めてなんじゃないかってぐらい。
「今日の髪型とっても素敵ね」
「あなたの意見にすごく賛成!その発想最高!」
など、惜しまなく褒められてとてもいい気持ちになりました。(笑)
何より、その褒め言葉に何度も力をもらいました。
日本人は謙虚で、褒められると「いえいえ。私なんて…」と謙遜する人が多いですが、カナダでは、褒められると素直に「そうでしょ?ありがとう!」と受け取ります。
むしろ相手の賛辞に対して「いえいえ…」と否定する方が失礼になります。
相手が褒めてくれたことに対して、気持ちよく「ありがとう!」と賛辞を受け取る文化。
すてきですよね。
2、世界中の友達
カナダは多民族国家で、世界中から様々な国籍の人が集まっています。
肌の色も宗教も、文化も違う人たちが集まって社会を築いているのです。
そういった人たちと職場や学校など、様々な環境で出会えて、友達になれるのはワーホリならではの魅力です。
ワーホリでは、一年という間に一緒に働いたり食事をしたりと様々な思い出を共有できます。
それぞれの国に帰国した後も、今ではSNSを使ってつながれます。
またその人たちが母国から発信する情報で、日本やカナダ以外のリアルな世界の情報を知ることも可能です。
3、多様性を本当に理解できる心
カナダは多民族国家であるだけではなく、多文化主義を採用しています。
簡単に言えば「みんなちがってみんないい」ということです。
宗教や価値観の違いを受け入れたり、社会的マイノリティーの立場にある人たちへのサポートを積極的に行っていたりと、理想論ではなく実際に行動に起こしています。
それぞれの個性を尊重し合い、理解しようとする姿勢は、多民族国家のカナダでは欠かせません。
特に、LGBTQやしょうがい者への理解においてカナダはかなり先進的です。
幼少期からそれぞれの個性を尊重される教育があり、国家全体で多様性が受け入れられるシステムが作られています。
カナダでの生活を通して、多様性という意味を本当に理解できる心が養われます。
4、世界で起きていることに関心を向けられる視野の広さ
4つ目は、世界で起きていることに関心を向けられる視野の広さです。
海外の友達ができて、英語力も上がると海外のニュースも少し理解できるようになります。
日本で報道される海外のニュースは、あくまで代表的なトピックが多く、その背景や経過といった細かな情報までは報道していません。
カナダのニュースでは、カナダ国内の時事ニュースはもちろん、隣国であるアメリカやヨーロッパ、アジアといった世界各地の出来事をかなり細かく報道しています。
グローバル化が進み、これからの社会では世界情勢や海外のニュースが理解できる人が求められます。
日本国内のことだけではなく、世界に目を向けられる視野の広さは、カナダに行ったからこそ得られるものです。
5、英語力(主にリスニングとスピーキング)
最後になってしまいましたが、英語力もカナダのワーキングホリデーを通して得られる力のひとつです。
語学学校に通った人であれば、ライティングやリーディングもしっかり学べると思いますが、一年間を総合して最も伸びるのがリスニング力とスピーキング力です。
リスニング力とスピーキング力は、仕事や周囲とのコミュニケーションで最も鍛えられる部分で、カナダで生活していく中で最も必要とされる力と言えます。
毎日英語を耳にすることで、英語に耳や口が慣れてくることも理由のひとつです。
教科書では学べない、実用的な言い回しやスラングなども身に付けられるので、より実践的な英語力として力を発揮することができます。
私がワーホリを決めたワケやカナダワーホリで得たものなどを留学ボイスさんで紹介させていただいています。
まとめ
今回紹介したものは、あくまで私の体験ベースであげられるものです。
人それぞれ得られるものは違います。
しかし、共通して言えるのは、カナダのワーキングホリデーで得られるものは多いということです。
目に見えるお金や物ではなく、海外で生きていく術や価値観といった人生に本当に役立つものを手に入れられるのがカナダのワーキングホリデーです。
ぜひ、あなたも挑戦してみてはいかがでしょうか?
<ポイント>
カナダのワーホリの5つのメリット
① 世界各国の様々な文化や価値観を持った人に出会える
② 訛りのない英語を習得できる
③ カナダの大自然を満喫できる
④ 日本とカナダの働き方の違いを知れる
⑤ 将来性がある
カナダワーホリの3つのデメリット
① 意識しないと日本語ばかりの生活になってしまう
② 都市によっては冬の寒さが厳しい
③ 物によっては物価が高い
カナダワーホリで得られるもの
① 自己肯定感
② 世界中の友達
③ 多様性を本当に理解できる心
④ 世界で起きていることに関心を向けられる視野の広さ
⑤ 英語力(主にリスニングとスピーキング)