他人事ではない人種差別問題とは?カナダで私が経験した人種差別

カナダ生活
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最近では日本のニュースでも人種差別について報道されることが増えましたが、正直イメージが沸かないという人も多いのではないでしょうか。

私はカナダのバンクーバーに1年半滞在していましたが、何度か人種差別を受けたことがあります。

バンクーバーは比較的アジア人が多く、他の都市に比べると人種差別が少ないといわれていますが、それでもやはり国籍や肌の色、文化的背景などで差別する人は一定数います。

今回は、そんなバンクーバーで私が経験した人種差別の体験談や、カナダが抱える人種差別の問題などを紹介します。

人種差別とは違いますが、私が初めて働いたカフェでは、同じ日本人からのいじめを経験したことがあります。

ワーホリで働く際には、職場の雰囲気を見極めることも大切です。

詳細は『ワーホリで採用されたカフェを2日で辞めた!?職場を見極めるためにすべき5つの質問』で。

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私がカナダで体験した人種差別

英語の発音や拙さをきっかけに…

私が初めて受けた人種差別が、自分の英語の発音や拙さによるものでした。

最初は「英語がちゃんと話せない自分が悪い」と思っていましたが、必ずしもそうというわけではなかったのです。

別の記事でも紹介していますが、私がカナダのスタバで働き始めたばかりの頃、渡航して2か月ぐらいの頃は、お客さんとの会話もなかなか成り立たたないぐらいの英語力でした。

それでも採用されて、なんとか働けていたのは周りのパートナー(スタバでは同僚をパートナーと呼びます)のおかげです。

話は逸れましたが、私がレジである白人のお客さんの対応をしたところ、その人の注文がなかなか聞き取れず、何度か聞き直してしまうことがありました。

お客さんに注文を聞き直すことは他のパートナーでもよくあります。
カスタマイズが多かったり、ネイティブスピーカーでも注文の口調が早すぎることがあったりするからです。

私がレジで対応した白人のお客さんは、私が注文を聞き直すことに気分を害したようで、その時にいたスーパーバイザーに「ちゃんと英語が話せる人を雇いなさいよ」と一言。

私は自分の英語力が低いからだと反省したのですが、スーパーバイザー曰く「あんなのただの言いがかり。ただのRacist(差別主義者)」とのこと。

私が働いていた店舗はフィリピンや中国、ベトナムといったアジア系の人が多く、白人至上主義のお客さんから差別的な態度を取られることがあったそうです。

(私自身は気付いていないことも多く、他のパートナーから言われて気付いたことも多かったです)

例えば、注文を一回で聞き取れないと手を振って「もういいわ」みたいな態度で別の店舗に行ってしまうお客さん。

かなりあからさまなのだと、レジのパートナーがヨーロッパ系の白人パートナーだと笑顔で注文するのに、私やベトナム人のパートナーだと急に無愛想になる…とか。

「英語が堪能ではないから仕方ないのでは」
「ただコミュニケーションが成立しないからでは」

と思っていましたが、すでに永住権を持ってカナダで暮らしているフィリピン人のスーパーバイザーから言われた言葉が衝撃でした。

「英語を学んでいてまだ堪能ではない、移民や留学生もカナダの社会の一員として働いているのだから、そういった態度を取ることは人種差別だ。」

英語ができない、勉強中だという理由だけで扱いがぞんざいになるのは差別だと彼女は感じていたようです。

私はそれまで人種差別を実体験として味わったことがなかったので「そんなことまで人種差別になるんだ」という感覚でした。

顔の特徴や体型をいじられる

アジア人の顔の特徴といえば、細い目にあまり凹凸のない顔、欧米人と比較するとどことなく幼い雰囲気ですが、そういった顔の特徴や体型をいじられることもありました。

私が語学学校で南米から来ている留学生と話している時、なんの流れかは忘れましたが、顔の印象の話になりました。

彼女はなんの悪気もなく「その目(私の目はお世辞にも大きいとは言えない細さです)でちゃんと見えるの」と聞いてきました。

私は若干イラっとはしましたが「普通に見えているよ」と答えました。

すると、そのやり取りを聞いていた語学学校の講師が「気を付けて○○(私と話していた南米留学生)それ差別的な発言になるよ」と一言。

私とその留学生は、同じクラスになってしばらく経っていたので、ある程度の関係値はできていましたが、それでも顔の特徴をネタにすることはタブーだったようです。

これはアジア人に限らず、世界的に通ずることですが、顔の特徴や体型をネタに話をすることは避けるのが賢明です。

日本人にとって褒め言葉である「顔が小さい」「頭が小さい」という表現も、欧米では「頭が小さい=脳が小さいバカ」と受け取られることがあるようです。

見た目に関する話はどの場面でも控えるのがベターでしょう。

日本人の女性=簡単にヤれる

これはとても残念な話ですが、日本人の女性=簡単にヤれる(一夜限りの関係)
と思われていることが多いようです。

特に、白人男性の間では日本人女性のことを「イエローキャブ」(黄色のタクシー=すぐ性交渉ができる手軽な女)と呼ぶこともあるそうです。

筆者
筆者

そんな失礼な奴、こっちから願い下げだ!

と私は猛烈に腹が立ちましたが、あながち間違っていないといいますか…

ワーホリや留学でカナダに来る女性の中には、白人男性と恋愛がしたい、関係を持ちたいと望んでいる人がいたり、日本と違うレディーファーストの文化や男女の関係性にすぐときめいてしまう人がいたりするようです。

なので、簡単にヤれるというイメージを与えてしまったという経緯もあるのかもしれません。

※これはあくまで個人的な意見です

もちろん、純粋に国籍や人種関係なく、恋に落ちて恋愛をする人たちもたくさんいます。

日本人女性ですてきなカナダ人のパートナーとお付き合いしている人にも出会ったので、白人男性全員がそうだとは言いません。

カナダで起きている人種差別と人々の意識

カナダ原住民族に対する差別・虐殺が問題に

カナダのCTVニュースによると、2017年以降、分かっているだけで100人近くの原住民族や黒人が警官によって射殺されていると報道されています。

また、2021年5月には、BC州カムループスにあった原住民族の寄宿学校跡地から、215人の子どもたちの遺体が見つかったというショッキングなニュースが共有されました。


カナダは1883年~1998年までの間にカナダの原住民族の子どもたちに対して同化政策を行っていました

寄宿学校に強制的に入学させ、虐待や差別が日常的に行われていたそうです。

私がこの事実を知ったのは、NetflixでAnne with an E(アンという名の少女)のシーズン3のエピソードを見たことがきっかけでした。

ストーリの詳細については『英語学習にNetflixが役立つわけは?』の中で紹介しています。

多民族国家で多くの移民を受け入れ、共存していることが魅力のカナダでも、残酷な人種差別が存在していることをリアルに描いているシーズンでした。

興味のある方はぜひNetflixでご覧ください。

人種差別問題を自分事として捉えている人が多い

カナダではありませんが、2020年5月に起きた白人警官による黒人男性、ジョージ・フロイドさんの殺害事件は、日本でも大きなニュースになりましたよね。

そこからアメリカの黒人差別問題が世界全土に広まり、Black Lives Matter運動が世界各国で行われるようになりました。

隣国アメリカで起きたことだからという背景もありますが、カナダでもBlack Lives Matterの活動は盛んに行われ、SNSやテレビ番組で広まりました。

これは2020年6月20日にバンクーバーで行われた大規模なBlack Lives Matterのデモの様子です。

バンクーバーで黒人の方を見ることは比較的少ないですが、アジア系や南米系など、世界各国から様々な人種の人が集まっている背景もあり、それぞれが自分事として捉えている様子が伺えますよね。

人種差別を受けたらどうする?

その場、人から離れる

まずはその場、差別的な発言をする人から離れることだと私は思います

本来であれば、相手に差別的な発言を止めさせることができれば理想なのかもしれませんが、人によっては反応することでさらに激情したり、危害を及ぼす可能性もあります。

なので、意気地なしのようにも見えますが、まずはあなた自身の身を守ることを考えましょう。

ひとりで立ち向かうには人種差別という問題はあまりにも大きすぎます。

あなたひとりが相手に対して声を上げても、勇気を出して伝えたとしても、相手がそれに耳を貸すとは限らないですし、さらに事態が悪化して危害を加えられるような結果になることもありえます。

周囲に助けを求める

そして周囲に助けを求めてください

まず誰か頼れる人を探してみましょう。
その場面を見ている、近くにいる人でも構いません。

私がバンクーバーで差別的な発言をされて対応に困っていた時、周りにいた人がすぐに声を掛けて助けてくれました。

カナダには人種差別もあるかもしれませんが、それ以上にそれに反対する人、差別に対して一緒に立ち上がってくれる人もいます。

(友達や知り合いなら)NOをはっきり伝える

ただ、時にはしっかりとNOを伝えることも必要です

特に相手が友達や知り合いである場合、NOを伝えることはとても大切です。

なぜなら、相手には「差別をしている」という認識や自覚がないまま行っていることが多いからです。

いじめと同じで、相手はただからかっているだけであっても、受け取る側が人種差別的で不快と感じたのであればそれをしっかりと伝えることは、それから先の人間関係に大きくかかわってきます。

まとめ

人種差別は扱うテーマとして重い
見ていて辛い

という声を聞くことがあります。

もちろん、決して楽しい話ではありませんが、一歩海外に出ればあなたも”外国人”になり、マイノリティーとして差別を受ける可能性があるのです。

少しでも自分事として考えてもらえればと思い、今回の記事にまとめました。

人種差別、特に黒人に対する人種差別を知るきっかけになる作品がNetflixにはたくさんあります。

下記で紹介しているのは30分程度の短編作品ですが、私自身かなり考えさせられた作品です。
ぜひご覧ください。

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