ワーホリって英語力がなくても行けるの?
英語力に不安がある人が感じる疑問ですよね。
私がカナダにいる時に、日本から来たいろいろなワーホリの人に出会いました。
その中には「アルファベットが読めない」という人や「バスの運転手が何か言っていたけど、全然分からなくてそのまま乗ってたら違う場所に着いた」という人など、英語力ゼロでワーホリに来ている人もちらほらいました。
「サバイバル精神が強いな」というリスペクトもありましたが「どうか無事に生きてね」という心配もありました。
ワーホリに行くのに具体的な英語のスコアは必要ありません。
英語力がゼロでも理論上はワーホリに行けます。
しかし、ワーホリで海外に渡航できたとしても、現地で生活していくのには厳しい現実が待っています。
今回は、英語が全く分からないままワーホリに飛び立つリスクと、カナダワーホリに必要な英語力を目的ごとに紹介します。
<補足>
誤解がないように補足すると、この記事での「英語力がない」の意味は
・アルファベットが読めない
・自己紹介ができない
・中学英語が分からない
といったレベルです。
「カナダにワーホリに行きたい」とそのために英語を勉強している人は、勉強している時点でアルファベットは理解できていますし、自己紹介もできますよね。
ワーホリに行く前の私がこういった記事を読むと「勉強しても全然英語力がある気がしないから、私は英語力ゼロだ」と落ち込む人間だったので、先に補足を入れさせていただきました。
「ワーホリに行きたいけれど、いろいろなことが不安。心配」という人は、ワーホリから帰国した私が率直な気持ちを書いた『ワーホリに行く前の自分に伝えたい11の答え』の記事も合わせてご覧ください。
英語力がなくても「ワーホリに行くだけ」はできる
ワーホリビザ申請時に英語力の証明は不要
ワーホリビザ申請時にIELTSやTOEICのスコアといった英語のスコアは求められません。
ワーホリビザ取得の条件
- 申請時に18歳以上31歳未満であること
- 滞在期間中をカバーできる医療保険に加入していること
- カナダでの仕事先が決まっていないこと
※2021年2月時点、コロナの影響でカナダにワーホリに行くためには、まずカナダでの仕事が決まり、ジョブオファーを受ける必要があります。
カナダ政府が提示するワーホリ申請の条件にも、英語力に関する記述はありません。
カナダ政府による、ワーキングホリデーに関する基本情報はこちらからご覧ください。
Government of Canada International Experience : Who can apply
英語力がなくても働ける職種もある
英語力がなくても働ける職種もあります。
・日本食レストラン(ジャパレス)のキッチンや皿洗い
・ホテルのベッドメイキングや掃除
・ファームステイ(農場で住み込みで農作業) など
こういった職種の場合、スタッフ同士で日本語でのやりとりができたり、ひとりで黙々と作業をこなしたりするので、英語ができなくても働けるでしょう。
最長6か月語学学校で英語を勉強できる
カナダのワーホリビザの場合、最長6か月の就学が認められています。
なので、6か月語学学校に通って英語を勉強しながら英語力をつけることも可能です。
ただし、語学学校に通ったらから英語ができるようになるかというと、そういうわけでもありません。
私はワーホリで6か月バンクーバーの語学学校に通いました。
IELTSの受験対策のために後半は通っていたところもあり、英語力そのものを語学学校で伸ばせたかと聞かれると「うーん」と少し考えてしまいます。
というか”6か月は長すぎた”というのが率直な感想です。
カナダワーホリの制度的には、英語力がなくてもワーホリに行けることが分かりました。
では、ワーホリに英語力は必要ないのでしょうか?
いいえ!
ワーホリに英語力はとーっても必要です。
大切なことなのでもう一度。
ワーホリに英語力は必要です!!
最低限の英語が理解できないと、カナダで生きていけません。
・アルファベットが読めない
・自己紹介ができない
・道に迷っても人に聞けない
もし、そんな英語力ゼロの人がワーホリに行った場合の、致命的な4つの「できない」を見ていくと、英語力ゼロでワーホリに行くリスクが見えてきます。
英語力ゼロだとやばい!?4つの「できない」で生きていけない!
1、必要な情報を理解できない
まず、必要な情報が理解できません。
例えば、シェアハウス探し。
日本語の物件紹介サイトもありますが、英語で投稿されている物もあります。
または、道路や街中に表示されている禁止表示や、工事案内などの情報。
シェアハウスのエレベーターに貼られている使用禁止表示。
文字だけであれば、グーグル先生を使ってネットで調べることもできるでしょう。
しかし、こんなシチュエーションではどうでしょうか?
●レジでお会計時にスタッフが何か聞いてくるけど、何?
●バスが急に止まって運転手がアナウンスをしたけど、なんて?
●ファストフード店で注文したら、困り顔でスタッフが何か言っている…?
これは、お手上げ状態になってしまいますよね。
2、事務手続きや申請などができない
2つ目は、事務手続きや申請などができないこと。
カナダにワーホリに来ると、携帯の契約や銀行口座の開設、SINナンバーの申請など、様々な手続きを自分でしなければなりません。
また、仕事探しをするならレジュメ(履歴書)も作らなくてはいけないですよね。
そういった時に、英語力がゼロだと手続きや書類作成ができません。
誰かに手伝ってもらうという方法もあるのでしょうが…
いつも頼れる人がいるとは限りません。
3、突然のトラブルに対処できない
3つ目は突然のトラブルに対処できないことです。
例えば、突然犯罪やトラブルに巻き込まれた時、相手が言っていることが理解できない時点でとても危険ですし、それに何も対処できないとしたら…
怖いですよね。
他にも例を挙げると、シェアハウスのシャワーからお湯が出なくなってしまった時。
オーナーに状況を説明して、直してもらわなくてはいけないですよね。
英語力ゼロだと
・自分の困っている状況を伝えられない
・相手が言っていることが理解できず、さらに問題を大きくしてしまう
という致命的な状況になりそうですよね。
4、海外の友達ができない
4つ目は、海外の友達ができないこと。
ここでいう”友達”とは、日本人の友達と同じようにたわいのないことを話したり、一緒に食事に行ったりする間柄のことです。
ただ、その場にいてニコニコしているだけの関係は友達とは言いません。
海外の人と日本人をつなぐ共通言語が英語です。
少しでも英語が喋れるなら、友達になれる可能性は十分ありますが、英語力がゼロの場合、そもそもコミュニケーションが取れないので、友達になるのは難しいでしょう。
目的別!カナダワーホリで必要な英語力
カナダでワーホリに行くだけではなく、カナダで生活していくためには英語力が必要。
では、具体的にどのくらいの英語力があればいいのでしょうか。
もちろん、英語力は高ければ高いだけ良いです。
仕事の選択肢も増えますし、カナダ生活での可能性が広がります。
しかし、いきなり英語力ゼロを100にするのは難しい。
そこで、まずは自分の現在の英語力と、目指す方向性を確認して、それぞれに必要な英語力を見ていきましょう。
A:カナダで最低限困らないで生活したい
カナダで必要最低限の英語で、困らないで生活したい!という人。
つまり、カナダワーホリの中でも「このレベルができないと厳しい」というボーダーの部分です。
<必要な英語力>
・英語で道を聞ける、料理やドリンクを注文できる
・簡単な自己紹介ができる
・中学レベルの英語を理解している
B:職種は選ばず、とりあえずカナダで働きたい
日本食レストラン(ジャパレス)など日本語が通じる職場環境でも、店長やマネージャーが日本人以外(韓国人や中国人)というのはよくある話です。
そういった場合、面接は英語で行われますし、最初に教えてもらう時には英語で指示される可能性もあります。
カナダで働くには”カナダで生活する”より一歩上の英語力が必要です。
<必要な英語力>
・自己紹介ができ、相手の質問を理解して答えられる
(面接に対応できるレベル)
・簡単な指示が理解できる
・高校レベルの英語を理解している
C:英語で接客したい
カフェやレストランなどで英語で接客したい人は、より高い英語力が求められます。
英語の指示を理解するだけではなく、自分から積極的にお客さんにコミュニケーションを取ることが求められます。
いわゆるスモールトーク(雑談)ができるレベルが望ましいでしょう。
特に、レストランのサーバーの場合、サービスによってお客さんからもらえるチップが大きく変わるので、よりスマートなサービスができればチップも高くなります。
<必要な英語力>
・瞬間的にトピックを選んで自然なコミュニケーションができる
・相手や状況に合わせて適切な言い回しを選んで話せる
D:永住や就労ビザの取得を考えている
カナダへの永住や就労ビザの取得を考えている人は、もうすでに高い英語力を持っている人も多いのではないでしょうか。
ワーホリビザから就労ビザに切り替えて、そこから永住権を取得するという人は意外といます。
そういう人たちの中には、最初は英語ができなかったけれど、現地でがんばって勉強してたり、あえて日本人が少ないコミュニティーに飛び込んで英語力を磨いたりと、努力して英語力を身に付けた人が大勢いました。
最初から完璧に英語ができる必要はありません。
ただ、英語環境で長期的に生きていける英語力を磨くことが必要です。
<必要な英語力>
・職場でのクレーム処理や資材の発注などが英語でできる
・日本語字幕なしの映画やドラマなどを完璧ではなくても、ほぼ理解できる
まとめ
カナダワーホリに必要な英語力について紹介しました。
コロナの影響で今まで通りカナダワーホリに行けない状況です。
無念な思いをした人や、やるせない気持ちを抱えている人もたくさん知っているので、とても胸が痛いです。
しかし、これを機に英語力の底上げをして、カナダに行けるようになった時には、たくさんの人がワーホリを思い切り楽しんで、そして世界で活躍できるようにと願っています。
ポイント
<英語力がなくても「ワーホリに行くだけ」はできる>
・ワーホリビザ申請時に英語力の証明は不要
・英語力がなくても働ける職種もある
・最長6か月語学学校で英語を勉強できる
→でも「カナダで生活する」ためには英語力が必要!
<英語力ゼロだとやばい!?4大「できない」で生きていけない>
1、必要な情報を理解できない
2、事務手続きや申請などができない
3、突然のトラブルに対処できない
4、海外の友達ができない
<目的別!カナダワーホリで必要な英語力>
A:カナダで最低限困らないで生活したい
B:職種は選ばず、とりあえずカナダで働きたい
C:英語で接客したい
D:永住や就労ビザの取得を考えている