2019年時点で全世界に約32,000店舗ある大手コーヒーチェーン、スタバ。
日本国内だけでも2020年時点で1,601店舗あります。
※スターバックスジャパン公式HPより参照
コーヒーがメインかと思いきや、コーヒーが苦手な人でも楽しめるようなビバレッジ(飲み物)も多く取り扱っており、世界中に”スタバLOVER”がたくさんいることでも有名です。
私は日本のスタバで約半年、カナダのスタバで約1年と少し、PTR(パートナー)として働いていました。
私がカナダのスタバでバリスタを始めて、スーパーバイザーになるまでの体験談は別の記事で紹介しています。
「カナダのスタバで働いてみたい」
という人の参考になれば幸いです。
今回はコーヒー好きの人におすすめしたい。
ただのコーヒーではなく、”自分好みのコーヒー”を楽しむポイントを紹介します。
まずはスタバのコーヒーの種類を知ろう!
いきなり自分好みのコーヒーと言われても
「自分が好きなコーヒーってどんなのだっけ?」
と思う人が多いのではないでしょうか。
スタバの店頭で注文する際も、コーヒーの種類まで聞いていなくて
「このコーヒーおいしいけどなんだろう?」
程度で過ぎ去ってしまうのではないでしょうか。
そこで、今回はまず、スタバで扱っているコーヒー豆の基本を解説しながら、あなた好みのコーヒーを見つけていきましょう。
まず、コーヒーの種類はコーヒーの焙煎具合によって分類されています。
コーヒーの原料、コーヒー豆は、コーヒーチェリーと呼ばれる木の実からできています。
そのコーヒーチェリーを乾燥、焙煎して初めてコーヒーになるのですが、その焙煎具合によって種類が分かれています。
スタバのコーヒーは大きく3つの種類に分かれています。
今回紹介するコーヒー豆は、日本のスタバの公式サイトで紹介されているものが中心ですが、基本的にスタバのコーヒー豆は世界各国で同じように使われています。
共通のメジャーコーヒーの他に、その国のオリジナルブレンドがあります。
最も一般的!ミディアムローストのコーヒー
最初に紹介するのは、最も一般的なコーヒー。
ミディアムローストのコーヒーです。
焙煎具合がミディアム(中程度)のものになります。
酸味、コク、苦みがどれもバランスよく、万人受けしやすいコーヒーの味わいを楽しむことができます。
ミディアムローストのコーヒー
ハウスブレンド
スタバの創業当初からあるブレンド。
いわば ”THEスタバ” のコーヒーです。
酸味、コク共にバランスよく、ホットだけではなくアイスで楽しむこともできます。
パイクプレイスロースト
カナダのバンクーバーからバスで3時間ほどで行けるアメリカ、シアトルにあるパイクプレイス。
ここでスタバの1号店が生まれました。
世界中のスタバファンから愛されるブレンドです。
ケニア
ケニアは、ミディアムローストの中でも酸味を感じるブレンドです。
でも「すっぱい」という表現よりは、しっとりとしたコクもあるような。
複雑な味わいのするコーヒーです。
コロンビア
その名の通り、南米コロンビアで生産されたコーヒー豆のブレンドです。
私はコロンビアのコーヒーが一番好きです。
ほのかに香ばしさを感じる気がします。
エチオピア
ミディアムローストの中では少し果物の酸味を感じるコーヒーです。
スタバのキーワードには「シトラス」とあるのですが、正直私はそこまで感じたことはありませんでした。(笑)
グアテマラ アンティグア
独特なブレンドの名前ですよね。
店頭では「グアテマラ」と省略して呼んでいました。
このブレンドはフードペアリングを楽しめるコーヒーとしておすすめです。
<フードペアリング>
ケーキやクッキーといったペストリーと合わせてコーヒーを味わうことです。
コーヒーの香りを楽しみながら、コーヒーとフードを合わせて口に入れるとまた違った味わいが発見できます。
ブレックファーストブレンド
『ブレックファーストブレンド』なんて、まさに朝の目覚めにぴったりな名前のブレンドですよね。
実は私が日本のスタバで働いている時、このブレンドが店頭に出ることはほとんどなくて、密かに「幻のコーヒー」と呼んでいました。
他の店舗では扱っていたのかもしれませんが、入荷される頻度も少ないので、店頭に出ていた時は必ず飲んでいました。
2021年4月時点の新作フラペチーノ。
こちらもなかなか気になるビバレッジですよね。
コーヒー豆が美しい!ダークローストのコーヒー
「コーヒー豆が美しい」と表現したのにはワケがあります。
コーヒー豆はロースト具合の違いによって、豆の色が変化します。
ダークローストのコーヒーは深煎りのコーヒーなので、しっかりと焙煎されてチョコレートのような艶のある黒っぽい茶色をしています。
見ていてとても美しい色合いなのが特徴です。
味わいとしてはミディアムローストに比べるとコクが深く、しっかりとした味わいを楽しむことができる味です。
コーヒーの深みと重みをガツンと感じれるローストになっています。
ダークローストのコーヒー
スマトラ
スマトラはダークローストの中でもかなりどっしりとしたコクのあるブレンドです。
フードペアリングにぴったりのコーヒーでもあるので「コーヒーだけで飲むのにはちょっとパンチが効きすぎる」という人は、サンドウィッチやクッキーといったフードと合わせて楽しんでみてください。
カフェ ベロナ
チョコレートと相性抜群のダークローストのコーヒー、ベロナ。
バレンタインの時期になると、店頭でもこのブレンドを出すことが多くなります。
コーヒーそのものがちょっとココアを感じるような風味があるので、コーヒーだけでももちろん楽しめますよ。
コモド ドラゴンブレンド
パッケージにあるドラゴンのイラストが特徴的なコモド ドラゴンブレンド。
ダークローストの中でも複雑な味わいを特徴とするこのコーヒーはちょっと癖を感じます。
大地を感じると言いますか、好き嫌いは大きく分かれる味わいをしています。
フェアトレード イタリアンロースト
スタバのダークローストといえば、イタリアンロースト。
と言われているほどポピュラーなブレンドです。
この「フェアトレード」という言葉。
実はスタバの理念に基づいて名付けられたんです。
スタバでは、販売するコーヒー豆を違法性のない倫理的な方法で99%調達しています。
公平な取り引き、つまり「フェアトレード」です。
99%に因んで、毎年9月9日は『エシカルコーヒーデー』と呼ばれ、店頭ではこのイタリアンローストが販売されています。
フレンチロースト
フレンチローストは、ダークローストの中でも最も高温でローストされたコーヒー豆です。
なので、豆の色も茶色というより炭のように真っ黒で、粒も小さくなっています。
最も深煎りなので、味わいもより力強いスモーキーさを感じます。
さっぱりとした味わい!ブロンドローストのコーヒー
ブロンドローストは、焙煎の具合が最も浅煎りのものです。
コーヒー豆の色も他のローストと比較すると明るめの茶色です。
さっぱりとした味わいが特徴で、コーヒーのコクより酸味が好きという方におすすめです。
ブロンドローストのコーヒー
スターバックス ウィローブレンド
酸味が強く、すっきりとした味わいが特徴のブレンドです。
正直、私が働いている時に、これが店頭に出ていることはほとんどなかったです。
お客さんからオーダーが入れば、コーヒープレスで抽出することがある程度のレアコーヒーでした。
スターバックス ライトノートブレンド
柔らかな口当たりが特徴のコーヒーです。
酸味がそこまで強すぎず、コクも控えめなので、さっぱりとコーヒーを楽しみたい人におすすめ。
今回紹介している情報は全てスターバックスジャパンの公式ページを参考にしています。
ちょっと補足
日本のスタバでは、常時、店頭のブリューイングマシンで1種類か2種類のコーヒーを抽出しています。
また、抽出するコーヒーは日によって決まっており、その日のコーヒーはレジ横にお知らせされています。
カナダのスタバだと、ミディアム・ダーク・ブロンド、3種類のローストのコーヒーがそれぞれ抽出されています。
お客さんも自分の好みのローストのコーヒーを選んで注文することが多いので、注文の仕方も
Grande Dark, space for cream, and heavy cream besides, plesae.
(グランデサイズのダークロースト。生クリームを入れるためにちょっとスペースを開けて入れてね)
とかなり注文を付けてオーダーされることが多いです。
日本よりもコーヒー文化が根付いている海外ならではだと思います。
日本だと「ドリップの〇サイズ」と言うだけなので、かなりちがいますよね。
世界中のスタバでコーヒーを楽しむための5つのポイント
日本でいつも飲んでいるコーヒーと同じように、世界中のスタバでも変わらないコーヒーを楽しむことができます。
まずは、コーヒーを楽しむための5つのポイントを紹介します。
1、コーヒーの香りを楽しむためにカップはマグで!
1つ目は、まずコーヒーの香りを楽しむためのカップです。
ペーパーカップだと飲み口も狭いですし、蓋をしてしまうとあの素敵な香りはなかなか楽しめなくなってしまいますよね。
そこで、コーヒーの香りを楽しむためにマグカップを利用してみてください。
香りが全然変わります。
スタバのマグはコーヒーの味や香り、見た目を楽しめるように飲み口が大きくどっしりとした形をしています。
店内でコーヒーを飲む時にはぜひ「マグカップで」と注文してみてください。
コロナの影響で店舗によっては、マグカップでドリンクの提供を行っていないところも多いようです…
コロナの状況が落ち着いたらぜひ試してみてください。
2,淹れたてのコーヒーを楽しもう!
2つ目「淹れたてのコーヒーを楽しもう!」
コーヒーは生もので、時間が経つと空気に触れて酸化し、味が落ちてしまいます。
猫舌の方には悲報ですが、抽出したての熱いコーヒーが、本来のおいしさを楽しめるんですよね。
直接空気に触れないようなブリューイングマシンの中でも、味が保てるのは30分程度。
日本のスタバにいると、時々タイマーのアラームが聞こえてきませんか?
あれは、抽出したコーヒーの鮮度が切れたのを知らせるタイマーであることが多いです。
そして、タイマーが切れるとどんなにコーヒーが残っていても処分し、新しくコーヒーを抽出。
常に新鮮なコーヒーをお客様に提供できるように設定されています。
カナダで働いている時はお客さんから「どのコーヒーが一番フレッシュ?」と質問されることも多かったです。
3、自分の好みのロースト(焙煎具合)を知ろう
3つ目は自分の好みのロースト(焙煎具合)を知ること。
先ほど紹介したように、スタバでは3種類のローストのコーヒーを販売しています。
それぞれに特徴があり、きっと口に合う/合わないがあると思います。
「なんとなく自分は酸味のあるさっぱりしたコーヒーが好きかな」
「コクや深みのあるコーヒーがいいな」
そんなイメージでいいので、なんとなく自分の好きなコーヒーをPTR(パートナー)に伝えれば、好みのローストのコーヒーを提案してくれます。
私が初めてカナダのスタバに行った時には、3種類全てのローストが抽出されているのを知らず「なんのローストがいいの?」と聞かれました。
恥ずかしながらテンパった私は「一番ポピュラーなやつで」と注文し、ミディアムローストのコーヒーを出してもらいました。
※元日本のスタバ店員のクセにお恥ずかしい…
4、目覚ましとして飲むならエスプレッソドリンクよりコーヒー
4つ目は目覚ましとして飲むならエスプレッソドリンクよりコーヒー。
朝の目覚めのドリンクとして、エスプレッソショットを使ったドリンク、ラテやカプチーノなどを注文する人、多いですよね。
エスプレッソショットはカフェインがたくさん入っているだろうから目覚めの効果があるだろうと…
しかし、実はドリップコーヒーの方が含まれているカフェインの量は多いんです。
<トールサイズ>
・ドリップコーヒー:260mg
・スターバックスラテ:75mg
同じサイズのラテのカフェイン量に対して、ドリップコーヒーは約3.5倍!
「朝コーヒー」は道理に合っているんですね。
5、カスタマイズ次第でいくらでもアレンジ可能!
5つ目は、カスタマイズ次第でいくらでもアレンジ可能ということ。
この後詳しく紹介しますが、スタバでカスタマイズといえばフラペチーノが王道ですよね。
実は、コーヒーでもいろいろなカスタマイズを楽しめるんです。
その日の気分に合わせてシロップを加えて甘くしてみたり、ミルクを多めに入れてみたり。
カスタマイズ次第でいくらでも自分好みのコーヒーにアレンジできます。
ドリップコーヒーでもできるおすすめカスタマイズ
カフェミスト(カフェ・オレ)
まずはコーヒーのカスタマイズの王道。
カフェミスト。
「カフェミスト」といわれてもピンと来ない方は「カフェ・オレ」をイメージしてください。
それです。
半分程度の量のドリップコーヒーにスチームした温かいミルクを注ぐカスタマイズです。
コーヒーが苦手。
コーヒーは飲みたいけれど、ブラックでは飲めない。
そんな人におすすめのカスタマイズです。
日本のスタバで、お年寄りのお客様からよく「カフェ・オレがいいんだけど…」と注文を受けることがあり「カフェ・オレと同じ内容で、カフェミストというドリンクならきっとお好みだと思います!」とおすすめしまくっていました。
コーヒーにエスプレッソショット追加
カフェイン好きにはたまらない、コーヒーにエスプレッソショットを追加するカスタマイズもあります。
カナダのスタバでは、よくこのカスタマイズをするお客さんがいて、その注文の仕方がかなり独特でした。
Red eye, please.
レッドアイ…
赤い目…
え。怖い…
笑顔でこの人何注文してるの?
と思いますよね。(笑)
実はこの「レッドアイ」はコーヒーにエスプレッソショットを1ショット追加するカスタマイズの別名なんです。
北米のスタバではよく聞くコールだそうです。
ちなみに追加するショット数が変わると、呼び名も変わります。
Red eye:1ショット追加
Black eye:2ショット追加
Green eye:3ショット追加
Green eye(3ショット)を注文する人には会ったことはありませんでしたが、Black eyeあたりまでは、週明けの朝の通勤時間帯にはよく聞きました。
日本のスタバでこの呼び名は使われていないので、アメリカやカナダなどを訪れた際に、ぜひ使ってみてください。
一気に現地人の風格が出ます(笑)
スチームしたミルクを少しだけ追加
カフェミストほどミルクはいらないけれど、ちょっとミルクが欲しい。
けれど、冷たいミルクを入れると冷めちゃうから嫌。
そんな時には、カスタマイズとしてスチームしたミルクを少しだけ追加してもらってください。
そしてこのカスタマイズ、なんと無料でできます。
ミルクの量が多くなるとカフェミストとしてお会計されますが、ミルクの量が少なければ、通常のコーヒーの料金だけでできるんです!
お手軽なのに、よりコーヒーを楽しめちゃう。
さらに、カフェミストもそうですが、加えるミルクの種類もカスタマイズできます。
日本だったら通常のミルク、無脂肪、低脂肪、ソイ(大豆)、オーツ(大麦)、アーモンドミルク、生クリーム…
スタバで取り扱っている全てのミルクで対応してくれます。
カナダであれば、ココナッツミルクやラクトスフリーミルクなども対応可能です!
ホイップクリームの追加
もはやコーヒーをコーヒーフロート感覚、デザートとして楽しみたい。
そんな方におすすめなのがホイップクリームの追加。
こちらは有料(+50円)のカスタマイズになりますが、アイスコーヒーに追加すれば、かなり見栄えがします。
食後のコーヒー兼デザートとして楽しんでみるのもひとつです。
シロップやハチミツを追加
コーヒーでいろいろな味を楽しみたい方におすすめなのが、シロップやハチミツといった甘味料の追加です。
王道のシロップだと、バニラ、トフィーナッツ、クラシック(ガムシロップ)などが多く選ばれるカスタマイズ。
そしてハチミツは日本ではあまり注文を受けたことがありませんでしたが、カナダのスタバではよく受けたオーダーです。
コーヒーを注ぐ前にハチミツをカップの底に入れておき、コーヒーを注ぐといい感じの甘さになるんだとか…
すみません。
これは私は試したことがなかったので、あくまでお客さんの感想です。
でも、試してみる価値はあると思います!
まとめ
日本とカナダ、それぞれのスタバで働いた筆者の体験談も交えながら、世界中のスタバで自分好みのコーヒーを楽しむポイントやカスタマイズを紹介しました。
コーヒーを楽しんでいる時って、味わいだけではなくて気持ちも豊かになりますよね。
コーヒー好き、そしてスタバ好きの方の参考になれば嬉しいです。
ポイント
<スタバのコーヒーの種類>
●ミディアムロースト
・ハウスブレンド
・パイクプレイスロースト
・ケニア
・コロンビア
・エチオピア
・グアテマラ アンティグア
・ブレックファーストブレンド
●ダークロースト
・スマトラ
・カフェ ベロナ
・コモド ドラゴンブレンド
・フェアトレード イタリアンロースト
・フレンチロースト
●ブロンドロースト
・スターバックス ウィローブレンド
・スターバックス ライトノートブレンド
<世界中のスタバでコーヒーを楽しむための5つのポイント>
1、コーヒーの香りを楽しむためにカップはマグで
2、淹れたてのコーヒーを楽しもう
3、自分の好みのロースト(焙煎具合)を知ろう
4、目覚ましとして飲むならエスプレッソドリンクよりコーヒー
5、カスタマイズ次第でいくらでもアレンジ可能!
<ドリップコーヒーでもできるおすすめカスタマイズ>
・カフェミスト
・コーヒーにエスプレッソショット追加
・スチームしたミルクを少しだけ追加
・ホイップクリームの追加
・シロップやハチミツを追加