バンクーバーのシェアハウスの探し方は、日本とは全く異なり、契約に至るまでのプロセスも違います。
「どんなことに気を付けて探せばいいの?」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
日本ではなかなかできない経験でもあるシェアハウス。
せっかくなら心地よい環境で生活したいですよね。
そこで、今回は内見に行く前、シェアハウスを探し始めたばかりのあなたに、バンクーバーのシェアハウス探しでチェックすべき項目を7つ紹介します。
これから、バンクーバーでシェアハウスで暮らすことを考えている人も、ぜひ参考にしてみてください。
バンクーバーのシェアハウス物件サイト
シェアハウスを探す際に役立つのが、物件サイトです。
バンクーバーのシェアハウス物件を紹介している、日本語と英語のサイトをざっくり紹介します。
日本語サイト
JP Canadaは、バンクーバーで最も使われている日本人向けの日本語のサイトです。
利用者の多くは日本人で、物件で暮らしている人も日本人が多いです。
物件によっては、英語で投稿されているものもあり、韓国人やカナダ人といった他の国の人たちとシェアできるものもあります。
e-Maple
e-Mapleも日本人向けの日本語サイトです。
シェアハウス物件の数はJP Canadaに比べると少ないですが、JP Canadaでは扱っていない物件を紹介していることもあるので、チェックする価値はあります。
Vancity room
Vancity roomは、今まで紹介したサイトと異なり、物件を専門に紹介しているサイトです。
日本語で書かれており、サイトのデザインとしても見やすい作りになっています。
ただ、ほとんどの物件が『要問合せ』となっており、入居できるかどうかが一目見ただけでは分かりづらいというデメリットもあります。
英語サイト
Craigslist(クレイグスリスト)
Craigslistは、現地のカナダ人も利用する英語の物件サイトです。
投稿しているオーナーや住んでいる人も日本人以外の場合がほとんどです。
英語力に自信があり、日本人以外と暮らしたいと考えている人におすすめのサイトです。
Kijiji(キジジ)
Kijijiも、カナダ人も利用する英語の物件サイトです。
個人的に、クレイグスリストよりもサイトが見やすい印象があります。
スマホ用のアプリもあるので、そちらから検索することもできます。
カナダ生活で活躍するスマホアプリは下記の記事で紹介しています。
1、家賃の相場より高すぎ/安すぎないか
家賃は相場の価格帯?
まず、1番にチェックすべきなのは家賃です。
家賃は日本と同じように1ケ月の料金が表示されています。
バンクーバーのシェアハウスの家賃は、ダウンタウン(中心部)に近いほど高くなる傾向にあります。
そして、その家賃が相場と比べて「高すぎないか(または低すぎないか)」をチェックすることが大切です。
高すぎても安すぎても、詐欺や問題物件である可能性が高いです。
家賃が高い場合は警戒する人も多いでしょうが、問題は家賃が安すぎる場合です。
安すぎる物件は、家そのものに欠陥や問題があったり、住人やオーナーとのトラブルがあったりするために家賃を下げている可能性があります。
レントの相場は、部屋のタイプやシェアする人数、ロケーションなどによって異なりますが、大まかには下記の通りです。
カナダドル(CAD)の円換算は1CAD=80.41円
※2020年9月9日時点
● マスタールーム:約900~1,200CAD(約70,000~95,000円)
● セカンド/ベッドルーム:約600~950CAD(約50,000~75,000円)
● ベースメント:約450~700CAD(約35,000~55,000円)
● デン:約400~600CAD(約30,000~50,000円)
● ソラリウム:約500~700CAD(約40,000~55,000円)
この価格帯は、あくまで目安です。
参考程度にご覧ください。
家賃にどこまで含まれているかチェックする
家賃には下記のものがあらかじめ含まれて表記されている場合があります。
電気、ガス、水道代
カナダでは、電気、ガス、水道代をUtilities(ユーティリティーズ)と言います。
また、バンクーバーの場合、Hydro(ハイドロ)と表現するところもあります。
家賃にあらかじめ光熱費が含まれているかどうか、利用した分だけ別で払うのかをチェックしましょう。
Wi-Fi
Wi-Fiの料金も含まれているかは、かなり大事なところですよね。
ちなみに、私はバンクーバーにいた1年半で4回引っ越した経験がありますが、そのどの家も全てWi-Fi込みの料金でした。
洗濯機、乾燥機
カナダのアパートメント(日本のマンション)の作りは日本と異なり、部屋に洗濯機や乾燥機が付いていないことも多いです。
地下にコインランドリーがあって、洗濯する度に料金を払わなければならない所もあります。
洗濯機と乾燥機がどこにあるかもチェックしておくと良いでしょう。
その他
物件によっては、家賃にお米やトイレットペーパーといった生活用品まで含まれているものもあります。
または、同じ建物内にジムやプールが併設されている場合、住人であれば無料で利用できることも。
こういったものはあくまでプラスα。
「あったらいいな」程度のものです。
2、デポジットはいくら?
ほとんどの物件が、内見に行って契約を決めたらデポジット(敷金)を払うことで契約成立となります。
デポジットとは、日本の敷金のようなものです。
一般的に家賃の半分の金額がデポジットと定められています。
退去する際に、住んでいる間に壊してしまったものや、修繕が必要なものがあった場合、そのデポジットから修繕費が捻出されます。
通常、退去際にオーナーが部屋の状態を確認し、問題がなければデポジットは本人に返却されるという仕組みです。
デポジットを返さない不届きオーナーもいる
オーナーの中には、最初にもらったデポジットをいろいろな言い訳をつけて返さないという不届き者がいます。
自分が入居していた時にすでに壊れていたのにも関わらず、修理のためにデポジットを使うと言われたり、きちんと掃除をしたにもかかわらず難癖をつけられたりという話はよく聞きます。
なので、入居する前の段階から、デポジットはいつ返してもらえるのか、退去時なのか、退去後にオーナーが日を改めて部屋の状態を確認してからなのか、はっきりさせておきましょう。
そして、内見時に、部屋の状態をオーナーと一緒に確認しておくのもひとつです。
壊れている物を一緒に確認することで、退去時に自分が壊していないことを証明できます。
デポジットや家賃を渡した際は領収書をもらおう
デポジットに限らず、家賃などお金のやり取りが発生するものは、必ず領収書をもらいましょう。
日本のアパートやマンションの契約では、たくさんの書類にサインや印鑑を押して、不動産屋さんから説明を受けて…というプロセスがありますが、バンクーバーのシェアハウスの場合、結構簡単な取り引きで住んでしまいます。
内見に行って、デポジットを支払えば契約成立。
なんていうケースもあるので、しっかりとデポジットを払った証拠に、オーナーに一筆書いてもらいましょう。
オーナー自身が『領収書』を持っていればベストですが、ない場合はどんな紙でもいいので、金額と日付、「デポジットを受け取った」というサインをオーナーにもらえば領収書として成り立ちます。
それをしっかり保管しておけば、万が一「デポジットを払ってもらっていない」と言われた際に、証拠として突きつけることができます。
トラブルを避けるためです。
面倒くさく感じるかもしれませんが、その一筆があなたを救うことになります。
3、ミニマムステイはある?あるとしたら期間は?
ミニマムステイとは、最低限住まなければいけない期間です。
その期間以内に退去してしまうと、デポジット(敷金)が返ってこなかったり、次の人を見つけてからでないと退去を認められなかったりします。
大体1ケ月から3ケ月程度
オーナーが次の住人を探すための期間として、ミニマムステイの期間は大体1ケ月から3ケ月程度でしょう。
短い所では、2週間からという物件もありますが、短すぎても引っ越す自分も家探しや荷造りなどが大変になります。
一方で長い所だと6か月という物件もありますが、あまり長すぎるのは万が一「思った家と違った」と感じた時に、なかなか出ることができずストレスになる場合も。
私は、1ケ月から3ケ月程度のミニマムステイをおすすめします。
いつまでに退去を申し出ればいいか確認する
退去することをオーナーに知らせる際に、Notice(ノーティス)という言葉を使います。
Notice(通知)
英語の意味そのままです。
新しい家に引っ越す際に、オーナーに「そろそろ引っ越すよ」ということを知らせなければなりません。
それをいつまでに申し出る必要があるか確認しましょう。
家賃は月額払いなので、ほとんどが1ケ月前には最低でも知らせるようにとなっています。
物件によっては2週間前でも良い。という所もありますが、しっかりと確認しておきましょう。
4、一緒にシェアするシェアメイトはどんな人?
一緒に暮らすことになる同居人のことは、シェアハウス探しの時に最も気になるポイントではないでしょうか?
一緒に生活する人のことはある程度把握しておこう
よく、シェアハウスにとてもキラキラしたイメージを持っている人がいますよね。
1年半で4つのシェアハウスで暮らした私がはっきりと言えること。
それは「テラスハウスのようなシェアハウスはどこにも存在しない」
ということです。
実際は、他人と共同生活を送るわけですから、物音が気になったり、ちょっとしたことが気になったりと、上手く付き合っていかないと迷惑をかけたり、逆にかけられたりと複雑な環境でもあります。
なので、一緒に暮らす人がどんな人なのかある程度の情報は把握しておきましょう。
人数、男女比、国籍など
その家に暮らしている人数、住人の男女比だけは必ず確認しましょう。
人数が多いのに、キッチンや洗面所といった共有スペースが1つしかない場合、使う時間が被ったり、汚れやすかったりします。
また、男性の中に女性だけという環境もできれば避けた方がベターです。
男女比が同じぐらいであれば問題ないですが、女性がひとりという状況は避けましょう。
国籍に関しては、参考程度に確認しておくと、グローバルなシェアハウスなのか、日本人だけなのかといったイメージが沸きやすいです。
学生?働いている?
シェアメイトの生活リズムを掴むためにも、何をしている人たちなのか確認しておくといいでしょう。
あなたが学生であれば、学校に行くために早起きする必要があったり、夜は早かったりしますよね。
仕事をしている人の場合は、生活リズムがシフトによって乱れやすくなります。
学生が多いと、なんとなく朝の洗面所が忙しそう。
でも、一緒に勉強したり学校のことを相談できたりしそう?
仕事をしている人がいると、生活リズムが違ってゆっくり使えそう。
一方で夜に活動していて音が気になるかも?
といった自分の中でシミュレーションができます。
5、近所の雰囲気(アクセス、治安、スーパーなど)
物件サイトには、ざっくりとした住所は掲載されていても、プライバシーの観点から家を特定できるような情報を載せている物件は少ないです。
オーナーと連絡を取り合い、実際の住所を確認できたら以下の内容をチェックしてみましょう。
事前にGoogleマップなどで近隣の情報をチェックしておく
内見のためにもGoogleマップなどで近隣の情報をチェックしましょう。
今のGoogleマップでは、まるでその場所にいるかのようなクリアな地図を見ることができるので、内見はできなくても、外観をみることができます。
また、近くにスーパーはあるか、カフェやコインランドリーはあるかといった生活環境も合わせて確認しておくと、引っ越した後の生活までイメージが膨らみます。
最寄りの交通機関をチェック(駅やバス停から家までの距離)
シェアハウスで暮らす際に、気になることのひとつに「治安」がありますよね。
そこで、最寄りの交通機関をチェックすることが大切です。
駅やバス停から家までどの程度の距離か、歩く場所は大通りの人通りが多い道かなど、ざっくりとしたものでいいので確認しましょう。
実際の治安や雰囲気は、内見の際に確認できますが、地図上で見ても明らかに危険そうな場所は候補から外しましょう。
6、そもそもその物件は信頼できる?
物件サイトを見つけて、連絡先のオーナー(または代理人)とメッセージをやり取りし、内見の予約に進もうとする中で「あれ?何かおかしい?」と感じることがあります。
実はそれ、詐欺かも。
メッセージ内でお金を要求されるのは、100%詐欺!
サイトで物件を見つけて、連絡を取り始めてからどんな理由でもお金を送金するように言われたら、間違いなくそれは詐欺です。
いやいや。
そんな簡単に詐欺になって引っ掛からないよー。
そう思っていた私も詐欺に巻き込まれかけたので、誰にでも起こりえる話です。
【本当にあった!詐欺体験談】
私が見つけた物件は、ダウンタウンの職場から徒歩5分、セカンドルームで900CADというかなり好物件。
早速そのオーナーに連絡をしました。
初めは普通のやり取りのように感じていたのですが、内見をしたいと言うと…
「今はイギリスにいるから案内ができない。デポジットに600CADを送金してくれれば、すぐに鍵を送る」
との返事でした。
私が引っ掛かったのが、デポジットが600CADというところです。
本来、デポジットは家賃の半額、この場合450CADですね。
それがなぜ、600CADなのか。
そして、貴重品である鍵を郵便で送るなんて、もし失くしたらどうするんだ?
という点でした。
怪しいと思った私は、職場の同僚に相談し、やはり詐欺であることが判明し、事なきを得ました。
なので、メッセージをやり取りする中で、少しでも「何かおかしいかも」と思ったらすぐに身近に信頼できる人に相談してください。
7、ハウスルールなどの決まり事
シェアハウスは共同生活です。
シェアメイトと協力して快適な住環境を守るために、ある程度ルールは必要ですよね。
そのルールがどの程度なのかも確認しておきましょう。
時間に関する決まりがあるか?
時間に関する決まりを確認しましょう。
具体的に言うと、
- シャワーやキッチンを使用できる時間(音が出るので早朝夜間の使用ができないことも)
- ゴミを外に出す時間(ゴミ出しの日が決まっている場合)
- 門限(シェアハウスではあまりないと思いますが)
場合によっては、自分の生活リズムに合致しない物があるかもしれないので、チェックしておくとベターです。
掃除やゴミ捨てなど基本的なハウスルールは?
シェアハウスは共同生活の場なので、掃除やゴミ捨てといった住環境を整えるためのハウスルールがあります。
ただ、これはそこまで慌てて確認しなくても、余裕があったら聞く程度でも良いでしょう。
まとめ
内見に行く前にチェックすべきポイントを紹介しました。
今回紹介したポイントは、物件の詳細部分に細かく記載されている場合もあれば、実際に連絡を取って確認しないと分からない場合もあります。
掲載されている情報でチェックしきれない場合は、遠慮せずにオーナーにメッセージでしっかり確認しておきましょう。
なんとなくで「きっと大丈夫じゃないか」といった憶測だけで決めるのだけはやめましょう。
次のステップはいよいよ内見です!
限られた時間の内見で、どんなところに気をつけながらチェックすればいいのかについて、また次回紹介します。
ポイント
<シェアハウス探しでチェックすべき7項目>
1、家賃の相場より高すぎ/安すぎないか
2、デポジットの金額
3、ミニマムステイの有無/期間
4、シェアメイトの情報
5、近所の雰囲気
6、物件情報の信ぴょう性
7、ハウスルールなどの決まり事