食事、睡眠、適度な運動を心掛け、健康を保とうと気を付けていたのにカナダで風邪をひいてしまった。
人間ですから慣れない環境で体調を崩すことは誰でも、どこででも起こりえます。
日本で風邪をひいたら、病院で薬を処方してもらったり、普段から使い慣れている市販の風邪薬を飲んだりとすぐ対処できますが、カナダではどうすればいいのでしょうか。
病院に行ったらちゃんと診察してもらえるか。
カナダの薬は日本人の体に合うか。
体調を崩した時に頼れる家族がいなかったり、どう対処すればいいか分からなかったりすると不安ですよね。
そこで、もしカナダで風邪をひいてしまった時の対処法と、カナダの風邪薬について紹介します。
カナダで風邪をひいたらどうすればいいの?
カナダの病院は風邪を診てくれない?
「カナダの病院は風邪を診てくれない?」という噂話を私も渡航前に聞いたことがありました。
実際にカナダに渡航して知った事実は”カナダの人は風邪をひいても病院に行かない”でした。
もちろん、病院に行けば医者は診察してくれますが、診察までに長時間待つ必要があり、しかも抗生物質や点滴といった具体的な処置はしてもらえません。
そもそも、カナダの医療システムは日本と異なり、ファミリードクター制を採用しています。
ファミリードクター制とは?
カナダの各家庭には、決まったかかりつけ医(ファミリードクター)がいます。
ファミリードクターが全ての症状に対する診察を行い、専門医への受診が必要か判断するのです。
もし、専門医(眼科、耳鼻科など)への受診が必要と判断すれば、ファミリードクターが専門医への紹介状を書き、患者情報が共有されます。
症状から自分で勝手に判断して、直接専門医にかかることはできません。
留学生やワーホリの人のように、ファミリードクターを持たない人のために、飛び込みで診察を受けられるウォークインクリニックがあります。
しかし、多くの人が順番を待っているので、受け付けをしてから診察までに数時間待たされるのが一般的です。
そして、風邪症状で診察してもらっても「市販の薬を飲んで温かくして休んでね」と言われることがほとんど。
せきや鼻水、発熱といった風邪症状だけであれば、残念ながら病院を受診する意味はほとんどないでしょう。
重症でなければ市販薬と睡眠で治す!
先ほども紹介したように、カナダで風邪をひいたら、病院は受診せずに市販薬と十分な休息で治すのが一般的です。
病院にかかる時は症状が長引いて深刻化してからという人が多いです。
「重症化してからでは遅いだろう」と思いますが、カナダの病院はとにかく待ち時間が長いことで有名。
いつ診察してもらえるかも分からない中、ずっと待っているのは体調が悪い時にはさらに追い打ちをかけますよね。
結局、薬を飲んでよく寝るのが一番効果的なのでしょう。
インフルエンザも市販薬で対応可能
実は、カナダの市販薬はインフルエンザにも対応可能です。
薬のパッケージにはCold & Fluと表記されているものがあります。
Fluとはインフルエンザのことです。
風邪とインフルエンザ、どちらにも対応可能な薬なので、効き目はかなり強力です。
それが分かる私の体験談を紹介します。
私が初めてカナダで風邪をひいたのは、カナダに着いて2か月経った12月初旬でした。
その日は朝からなんとなく体調が優れなかったのですが、いつも通り語学学校へ行き、帰ってくると寒気が止まらず…。
熱を測ると38℃。
日本から持参していた解熱剤を飲んで様子を見たのですが、全く効く気配がないのです。
翌朝、熱は40℃まで上がっていました。
これはカナダの薬を買いに行かねばと、当時はホームステイをしていたので、ホストマザーに効く薬を教えて欲しいと尋ねると「うちにある薬をあげる!」と、この後紹介するカナダの一般的な風邪薬、Advil(アドビル)をもらいました。
それを飲んで数時間休むと、熱は37℃のほぼ平熱まで下がっていたのです。
薬の効き目の早さに本当に驚かされました。
そしてホストマザーには感謝です!
カナダのドラッグストアは最強?
頼れる薬剤師がいる!
カナダのドラッグストアやスーパーマーケットには、薬剤師が常駐しているPharmacy(ファーマシー)があります。
そのため、どの薬を買えばいいか分からない時には、ファーマシーにいる薬剤師にアドバイスをもらうこともできます。
自分の症状を伝えれば、適切な薬や投薬の方法を教えてもらえるので、カナダの風邪薬のことが分からない人でも安心して利用可能です。
副作用がある人や、強いアレルギーを持っている人は、日本のかかりつけ医で、英語の診断書や処方箋を書いてもらうと、カナダの薬局で対応してもらえる場合もあります。
ただし、薬は健康を左右する重要なことです。
少しでも心配がある場合は、カナダの医療機関に受診することを強くおすすめします。
インフルエンザの予防接種が受けられる
日本だとインフルエンザの予防接種は病院で、医師の診察を受けてからでないとできませんが、カナダだと街中の薬局で受けられます。
先ほど紹介したファーマシーの薬剤師が予防接種を行ってくれるので、病院を受診する必要がなく、しかも近くの薬局でできるのは便利ですよね。
ただし、その州の健康保険に加入していることが接種の条件となっている場合もあるので、インフルエンザの予防接種を希望する際は、薬剤師に確認してください。
カナダで一般的な風邪薬
ここで紹介する風邪薬や予防薬は、私がカナダで実際に使用した経験のある、カナダで一般的に使われているものですが、人によってはアレルギーや体に合わないものもあると予想されます。
あくまで体験談として参考程度にご覧いただき、使用するかどうかは個々で判断していただけますようにお願いいたします。
1、Advil(アドビル):解熱、鎮痛など風邪薬
Advil(アドビル)はカナダで一般的に使われる風邪薬です。
風邪症状、インフルエンザ用など、様々な種類があり、様々な症状に対応できるレパートリーとなっています。
中にはかなり効き目が強い物もあり、激しい眠気に襲われることもあります。
2、Tylenol(タイレノール):解熱、鎮痛など風邪薬
Tylenol(タイレノール)もアドビルと同様に、カナダでメジャーな風邪薬です。
頭痛や発熱といった症状に合わせたタイプがあります。
アドビルかタイレノールのどちらかがあれば、カナダで風邪やインフルエンザの時は乗り切れるでしょう。
3、BENYLIN(ベンリン):咳やのどの痛み
BENYLIN(ベンリン)は、咳やのどの痛みといった症状にピンポイントに効くシロップです。
ドロッとしていて、決しておいしくはありませんが、いわゆる薬の味がするので『効いてる感』はあります。
私は、スプーンに垂らして喉に直接流し込み、なるべく味を感じないようにしていました。
実際に上記の商品を購入する際は、薬剤師にきちんと確認の上、ご利用ください。
風邪をひかないために!おすすめの予防薬
1、Emergen-C(エマージェンシー):ビタミンCホットドリンク
Emergen-Cは、ビタミンCの入った体を中から温めてくれるホットドリンクです。
味は定番のオレンジやアサイーから、ストロベリーなど様々な味があります。
お好みの味のパウダーをお湯に溶かして飲むと、体がポカポカして、さらに体に不足しがちなビタミンを摂取できるので風邪予防にはぴったりです。
風邪シーズンが到来すると、カナダのあちこちのスーパーやドラッグストアで見かけるようになるほど人気の商品です。
ちなみに、日本からもAmazonや楽天からオンラインでの購入が可能です。
2、NeoCITRAN(ネオシトロン):ホットドリンク
先ほど紹介したEmergen-Cと似ていますが、NeoCITRANは風邪や鼻づまりといった風邪症状により効果的に効くホットドリンクです。
味はEmergen-Cよりも薬っぽいというか、あまりおいしくはありません。
風邪の症状が出始めた頃に飲むと、かなり効果を発揮します。
ちょっと鼻が詰まる
喉がイガイガする
アドビルやタイレノールを飲むほどではない、風邪症状の時に体を温める意味で飲むとよいでしょう。
NeoCITRANは、発熱やインフルエンザなど風邪の症状ごと様々な種類があります。
中には、かなり強い成分が入っていて、飲むと強い眠気をもよおす場合があります。
飲む時には注意してください。
3、HALLS(ホールズ):のど飴
HALLSは、そこまで味が濃くない、そしてしっかりと喉に爽快感を与えてくれるのど飴です。
粒がそこまで大きくないので舐めやすく、大きなパックにバラバラに入っているタイプから、個包装されているものまで、味も種類もたくさんあります。
私はこの黄色のパッケージの柑橘系の味が好きでした。
日本でよく舐めていたのど飴の味に少し似ているので、違和感なく味わえます。
もしも重症化してしまったら…海外保険加入のおすすめ
「ただの風邪だから」
と風邪薬を飲んでゆっくり休んでいてもなかなか症状が改善せず、重症化してしまった場合。
その場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。
ただし、カナダに限らず、海外の医療サービスを受ける場合、高額の医療費が必要になります。
そこで助けになるのが海外保険です。
長期滞在の場合は必ず海外保険に加入しよう
ワーホリや留学などで1か月以上カナダに滞在する場合は、必ず海外保険に加入しましょう。
クレジットカードに付いている無料の海外旅行保険で、カナダ滞在期間中を乗り切ろうとする人もいますが、あまりおすすめできません。
無料の海外旅行保険の場合、保障額が低いため、カナダの高額の医療費を全て補えない可能性があります。
その場合、自腹で支払わなければならず、数百万や数千万といった途方もない金額を支払うはめになることも。
日本では健康で病気ひとつしたことない人でも、慣れない海外生活で気付かないうちにストレスが溜まって体調を崩してしまったり、風邪をこじらせて重症化させてしまったりなど、体調を崩す可能性は誰もが持っています。
万が一の時のために入るのが海外保険です。
長期滞在の場合は、必ず加入するようにしましょう。
まとめ
カナダで風邪をひいてしまった時の対処法や、カナダの風邪薬について紹介しました。
ですが、一番は風邪をひかないように健康を意識した生活を送ることです。
適度な運動、栄養バランスに配慮した食生活など、健康を気に掛ける大切さは日本でもカナダでも同じです。
ただ、慣れないカナダ生活や気付かないうちにかかるストレスなどが原因で、風邪をひいてしまうことはあります。
そんな時に慌てないために、カナダの薬を常備薬としていくつか用意しておくことをおすすめします。
私は日本から風邪薬を持ってきていましたが、カナダでひいた風邪には効きませんでした。
カナダのウイルスはカナダの薬でないと効かないのかもしれません。
健康を意識しつつ、万が一のことも考えて準備をしておきましょう!
ポイント
<カナダで風邪をひいたらどうすればいいの?>
・カナダの病院は風邪の場合、特別な処置はしてくれない
・重症でなければ市販薬と睡眠で治す
・インフルエンザも市販薬で対応可能
<カナダで一般的な風邪薬>
1、Advil(アドビル):解熱、鎮痛などの風邪薬
2、Tylenol(タイレノール):解熱、鎮痛などの風邪薬
3、BENYLIN(ベンリン):咳やのどの痛み
<風邪をひかないためのおすすめの予防薬>
1、Emergen-C(エマージェンシー):ビタミンCホットドリンク
2、NeoCITRAN(ネオシトロン):ホットドリンク
3、HALLS(ホールズ):のど飴
●長期滞在の場合は必ず海外保険に加入しよう!