カナダのスタバで働くと、カスタマイズの種類やバリエーションの多さにきっと驚くはず。
日本のスタバ以上にカスタマイズするのが当たり前のカナダ。
お客さんは自分のお気に入りのカスタマイズ、いわゆる”マイ・ドリンク”を持っていることも多いです。
そこで、そんなカナダのスタバで実際に私が受けた、驚きのカスタマイズを5つ紹介します。
そもそもスタバのカスタマイズとは?
スタバのカスタマイズは『自分好みの一杯にすること』
すでにご存じの方も多いかと思いますが「そもそもカスタマイズって何?」というところから紹介します。
結論から言うと、スタバのカスタマイズは『自分好みの一杯にすること』です
スタバでは、通常のレシピを自分好みにアレンジし、変更することが可能です。
つまり、レシピの内容の変更や追加ができます。
それをカスタマイズと言います。
例えば、
- ミルクを通常のミルクからソイ(大豆)やアーモンドミルクなどに変更する
- ドリンクの温度を少し熱め(ぬるめ)に変更する
- 本来のレシピでは入っていないシロップやパウダーなどを追加する など
スタバのポリシーは”カスタマーファースト”です。
人によって味の感じ方は様々。
スタンダードのレシピが口に合わないこともあるでしょう。
既存レシピにこだわるのではなく、お客さんの好みやこだわりに合わせて、自由にカスタマイズできるようになっています。
カスタマイズには有料と無料のものがある
カスタマイズには、有料のものと無料のものがあります。
なお、カスタマイズの有料/無料は日本とカナダで異なります。
例えば、日本はディカフェに+50円かかりますが、カナダは無料で変更可能です。
今回紹介しているのは、あくまでカナダのものです。
<有料カスタマイズ>
● ミルクの変更(ソイミルク、アーモンドミルクなど)
● シロップやパウダー、チップの追加
● エスプレッソショットの追加
<無料カスタマイズ>
● ミルクの温度の変更
● すでに入っているシロップを別のシロップに変更
● エスプレッソショットの変更(ディカフェ、ブロンド、リストレット)
● ホイップクリームの追加、増量
● シロップの増量
驚きのドリンクカスタマイズ5選
ここからは私がカナダのスタバで約1年働く中で出会った驚きのカスタマイズを紹介します!
いろいろな仰天オーダーがありましたが、その中でも選りすぐりの5つです。
1、温度や氷の数の指定
受けるカスタマイズの中で最も多く、手軽にできるものに温度の変更があります。
そして、その温度変更のカスタマイズが、まるで口に温度計がついているのではないかと思うぐらい細かい人がいるんです。
エキストラホットを超えて、もはやミルクが沸騰?!
通常の熱めの注文では、「エキストラホット」と呼ばれるエスプレッソマシンが自動で行える熱め設定を行います。
ちなみにカナダの温度は華氏(℉)表記です。
通常のミルク:約160℉(約71℃)
エキストラホット:約176℉(約80℃)
そんなエキストラホットでも、温度を指定して”192℉”とか”197℉”と、かなり細かいカスタマイズをする人がいます。
※ミルクの温度を伝える時には、degreeを使います。
摂氏(℃)にすると、192℉で約88℃、197℉で約92℃!
そういった細かい温度でのカスタマイズになると、エスプレッソマシーンをマニュアルにして、温度計を刺しながらスチームするのですが…
さすがに194℉(90℃)を超えると、徐々にミルクが沸騰してくるんです。
沸騰すると余分な泡や苦みが出てきてしまうのですが、お客さんの注文なので、オーダー通りにその温度で作ります。
しかし、渡すと「これは197℉じゃない!」というクレームを受けたことがありました。
作り直した後は、温度計を見せて197℉であることを確認してもらいました。
口に温度計でも付いているのでしょうか…?
「氷少なめ」の究極のカスタマイズ。氷の数指定
アイスのドリンクに多いカスタマイズが氷の数指定です。
もともと、通常のアイスのドリンクに入れる氷は確かに多く、溶けると薄くなってしまうので、多くのお客さんが”Less ice”とか”Little ice”など「氷少なめ」のカスタマイズをします。
その究極になると”3 ice cube”とか”5 ice cube”と氷の数を指定するカスタマイズ。
氷をすくう、まあまあ大きいスクープで、アイスキューブを数えるのは、正直面倒くさいです(笑)
でも、実際私も別の店舗で氷少な目のオーダーをしたにもかかわらず、実際にサーブされたドリンクには氷がたくさん入っていたこともあり「少なめ」の定義は人によって様々あるのだと感じました。
だから数を指定した方が確実!という認識なのでしょうが、正直面倒くさいです(二回目)
2、もはや自分で注いでほしい。お湯やミルクの量指定
アメリカーノ(エスプレッソ+お湯)やラテ(エスプレッソ+ミルク)などのドリンクの場合、加えるお湯やミルクの量によって味が大きく左右されます。
そのため、お湯やミルクの量の指定は、かなり頻繁に受けるカスタマイズです。
アメリカーノのお湯(水)の量指定
アメリカーノのお湯(アイスの場合は水)の量を指定されることはかなり多いです。
エスプレッソショット濃いめの強いコーヒーを飲みたい人は、お湯少なめ。
反対に薄めのコーヒーを飲みたい人は、お湯多め。
お湯の量をカップに対して「3分の2」とか「2分の1」と表現する人が多く、最初はその英語を聞き取るのが大変でした。
下記に英語の分数表記について紹介します。
<英語の分数表記>
分子=数字(one, two, three, …)
分母=序数(third, fifth, tenth, …)
※分母が2と4の時には呼び方が異なり、2=half、4=quater
分子→分母 の順で読む
※ハイフンは読みません
3分の2(2/3):two-third
4分の3(3/4):three–quater など
ラテやカプチーノのミルク量の指定
ラテやカプチーノでミルクの量をカスタマイズする人もいます。
ある時、私がバーでドリンクを作っていた時、レジのバリスタから渡されたカップに謎の線が引かれていました。
最初はカップに名前を書く時に間違って付いてしまったのかと思いましたが、どうやら「この線までミルクを注ぐように」という目印だったそうです。
その線までミルクを注いでお客さんに渡すと「普通の量だとこぼしちゃうから」ということ。
なるほど。
通常のレシピの場合、カップの縁ギリギリまでミルクを注ぐので、確かにこぼしやすいです。
また、別のカスタマイズでなかなか難しいのが「カプチーノのエキストラフォーム」
カプチーノはラテよりもフォームが多めの軽めのドリンクです。
エキストラフォームになると、バリスタのスチームの技量が問われます。
そしてこの場合、中身はほぼ泡になるのでカップはかなり軽くなります。
カップが重いということは、逆にミルクが多いことを意味します。
お客さんによっては、カップを持ち上げて重いと「これはエクストラフォームじゃないよ」とご丁寧に教えてくれる人もいます(笑)
以前Twitterでオーストラリアのカフェで働いている方が、カプチーノのエキストラフォームでコンプレインを受けたお話を共有されていましたが、どの国にもエキストラフォーム事件はあるようですね。
3、思わずマネしたくなる!リフレッシャーズのカスタマイズ
リフレッシャーズとは?
暑くなると人気のドリンクに、さっぱりとした味わいのリフレッシャーズがあります。
リフレッシャーズは、フルーツジュース+水+ドライフルーツに氷を入れてシェイカーで振ることで急冷させるドリンクです。
2020年時点で、種類は4つあります。
●ストロベリー・アサイー
●マンゴー・ドラゴンフルーツ
●ベリーベリー・ハイビスカス
●キウイ・スターフルーツ(2020年発売!)
カスタマイズ通はこう呼ぶ!おしゃれなカスタマイズのコールネーム
通常リフレッシャーズは、ベースとなるフルーツジュースに水を合わせますが、カスタマイズをして、水の代わりにレモネードやココナッツミルクを加えることができます。
レモネードを入れると酸味が加わって、よりすっきりとした味わいになります。
そして、インスタ映えや見た目が可愛くて人気なのが、ココナッツミルクを加えるカスタマイズです。
ちなみに、カスタマイズ通は、おしゃれなカスタマイズのコールネームを使います。
<リフレッシャーズ+ココナッツミルクのカスタマイズ呼び方>
●ピンクドリンク=ストロベリー・アサイー+ココナッツミルク
●ドラゴンドリンク=マンゴー・ドラゴンフルーツ+ココナッツミルク
●バイオレットドリンク=ベリーベリー・ハイビスカス+ココナッツミルク
●スタードリンク=キウイ・スタフルーツ+ココナッツミルク
4、違うミルクの種類をブレンドする
カナダのスタバでは、日本以上に様々な種類のミルクの取り扱いがあります。
デイリーミルク(乳製品)
●Skim milk/Nonfat milk:無脂肪乳
…「スキムミルク」や「ノンファットミルク」とも言います。かなり頻繁に注文される気がします。
●2% milk:低脂肪乳
…牛乳と無脂肪乳が半々。カナダのスターバックスで使われるベーシックなミルクです。
●1% milk:無脂肪乳/2%ミルク(超低脂肪乳)
…無脂肪乳と低脂肪乳が半々。「超低脂肪乳」と言えます。
●Whole milk(ホールミルク):牛乳
…一般的な牛乳。日本のスターバックスで使われているベーシックなミルクです。
●Breve/Half&half(ブレべミルク/ハーフ&ハーフ):生クリーム/牛乳
…生クリームと牛乳が半々。日本のカスタマイズでもありますが、日本ではその場でブレンドするのに対し、カナダはすでにミックスされているブレベミルクを使用します。
●Heavy cream(ヘビークリーム):生クリーム
…ホイップクリーム用の生クリーム。かなり濃厚な味わいです。
ノンデイリーミルク(乳製品フリーミルク)
●Soy milk(ソイミルク):大豆
…日本でも人気の大豆を使ったソイミルク。
●Almond milk(アーモンドミルク):アーモンド
…ソイミルクと並んで人気のミルクです。最近日本でも取り扱いが始まりました。
●Coconut milk(ココナッツミルク):ココナッツ
…ココナッツウォーターでもおなじみのココナッツミルク。かなりさっぱりとした味わいです。
●Lactose free milk(ラクトスフリーミルク):乳糖不使用ミルク
…乳糖不耐症(牛乳を飲むとお腹が痛くなる症状)のための乳糖を取り除いたミルクです。味は牛乳より少し薄め?の印象です。
※Oat milk(オートミルク):オート麦
…カナダでは2020年秋から販売開始の予定。オート麦から作られたミルク
これらのミルクをブレンドするオーダーをする人もいます。
例えば「ソイミルクとアーモンドミルクを半分ずつミックス」などです。
5、コーヒーの概念をぶち壊す!?違うローストのミックス
カナダのスタバでは、通常のブリューイングコーヒーを3つのタイプのローストから選べます。
●ブロンドロースト
最も浅煎りのロースト。コク<酸味
●ミディアムロースト
一般的なロースト。コクと酸味のバランスが良い
●ダークロースト
最も深煎りのロースト。酸味<コク
コーヒーのローストをミックスするのは、日本のスタバでは絶対にできないカスタマイズですが、カナダでは「ブロンドロースト×ミディアムロースト」や「ダークロースト×ミディアムロースト」など、違うローストをミックスする人もいます。
他にもコーヒーにお湯を足す、氷を入れるetc…
コーヒーの概念をぶち壊しに行っていますよね(笑)
まとめ
驚きのカスタマイズをいくつか紹介しましたが、実はこれでもごく一部です。
カナダのスタバはカスタマイズするのが一般的で、スタバにほぼ毎日通っているようなお客さんは、自分のお気に入りのカスタマイズを持っています。
日本よりもミルクやシロップの種類が多いカナダのスタバ。
ぜひ、今回紹介したカスタマイズを参考にしながら、自分のお気に入りのドリンクを見つけてみてください。