日本でもカナダでも、スタバに来るとなんだか落ち着くという人は多いのではないでしょうか?
その理由はやはり、その空間を作っているパートナーと呼ばれるスタッフの醸し出す雰囲気です。
私は日本のスタバで半年、カナダのスタバで約1年働いた経験があります。
今回は、これからカナダのスタバで働こうとしている人や、働きたい人に向けて、私がカナダのスタバで働く上で心掛けた7つのことを紹介します。
「カナダのスタバで働くのって大変なんじゃない?」
と思う人へのエールになれば嬉しいです。
スタバのパートナーにとって大切なことは世界共通
1971年、アメリカのシアトル、パイク・プレイス・マーケットで生まれたスターバックス(スタバ)は、2019年時点で全世界に約32,000店舗あるといわれています。
日本だけでも2020年9月末時点で1,601店舗もあります!
(※スターバックス公式HPより参照)
そんな世界的な人気を誇るスターバックスのポリシーは、実は世界共通だったということ、ご存知の人もいるのではないでしょうか。
国によってそれぞれの文化はありますが、根本にある理念や大切にしていることは共通。
それを抑えておくと、日本でもカナダでも働くとしたら基本は同じですね!
サードプレイスを提供すること
まず、スタバが大切にしている『サードプレイスを提供すること』
これはカナダでも同じです。
家でも職場でもない、第三の居場所を作ることは、日本でもカナダでも共通して大切にしているポリシーです。
お客さんとのつながりを大切にしたサービス
次に大切にしているのは『お客さんとのつながり』です。
日本のスタバでもレジやバーカウンターの店員さんに話しかけられた経験のある人は多いですよね。
スタバのポリシーでもある『カスタマーサービスコミットメント』は世界共通です。
私が日本のスタバで働いている時も、店長やSSV(時間帯責任者)が口を酸っぱくして言っていたのが「お客さんとのつながり」
積極的にコミュニケーションを取ったり、常連のお客さんの”いつものドリンク”を覚えたり。
そういった日本で育ててもらったスキルがカナダでもかなり役に立ったと感じています。
私がカナダのスタバで働く時に心掛けた7つのこと
私がバンクーバーのスタバで働いたのは約1年。
コロナの影響で2020年8月にレイオフ(解雇)されてしまいましたが、それまでの1年で学んだことはたくさんありました。
今回はその中から特にカナダのスタバで働くうえで心掛けてきた7つのことを紹介します。
1、英語ができなくても凹まない!
1つ目は、英語ができなくても凹まないこと。
私がバンクーバーのスタバで働き始めた時、英語のレベルは正直そこまで高くありませんでした。
インタビュー(面接)でなんとかコミュニケーションが取れたおかげで採用されましたが、ネイティブスピーカーがマシンガンのように話すカスタマイズを完璧に理解できるほどではありませんでした。
働き始めたばかりの私の悲惨さは別の記事でも紹介しています。
英語ができないのは当たり前です!
生まれてからずっと日本語しかない社会で生きてきたんだから。
英語は勉強中だから!
スタバのカスタマイズやレシピの英語には普段使われない表現や聞きなれないものだってあります。
それを最初から完璧に理解するなんて無理です。(笑)
あえて「無理」という表現を使っていますが、英語力って数日で身に付くものではないですよね。
耳や口が慣れるまでには時間がかかるのも当然です。
だから、凹むのではなく時間を掛けてひとつひとつ成長していくしかない。
凹んでいるヒマはありません。
今日より明日。
今日理解できなかった、伝えられなかった表現はしっかり勉強して明日からできるようになればそれでいいんです。
2、まずは分かる英語をつなげて推測する!
2つ目は、分かる英語をつなげて推測すること。
完璧な理解は難しくても、分かる単語や表現をつなげて推測することはできますよね。
例えばこんなシチュエーション…
Can I get extra hot medium latte with extra 〇△◇?
(えー。グランデの熱めラテに何か追加するっぽいけれど、エキストラの後が何を言ったか分からなかったー)
こういったシチュエーションがよくありました。
特に朝やランチ時の忙しい時間帯だと、お店の中もにぎやかなので注文を聞き取るのにも一苦労。
そしてお客さんは言い慣れた『マイドリンク』のオーダーなので早口。
聞き取れなくて当然の状況です。
そんな時は、聞き取れた注文だけでも復唱し、聞き取れなかった部分を推測したり、その部分だけ聞き返してみるのがおすすめ!
So, You said Grande extra hot latte with extra….?
(グランデのエキストラホットのラテでエキストラ…?)
Oh! With extra shots, please.
(あ!エキストラショットでお願いします!)
と大体のお客さんがしっかり言い直してくれます。
一度で聞き取れないからと言って怒る人は誰もいませんでした。
(時にはちょっと面倒くさそうな表情をされることもありましたが、間違ったドリンクを提供するよりしっかり確認した方が良いですからね)
ここで大切なのが、推測のまま注文を確定させずにきちんと相手に再確認すること。
注文を聞き取れなかった時に役立つ枕詞
You mean, 〇〇?
(あなたが言っていたのはこういうこと?)
Please let me be clear your order. You said…. Is it collect?
(あなたの注文をもう一度確認させて!注文は○○で大丈夫?)
3、そして分からない時は聞く
3つ目は、分からない時には素直に聞くこと。
正直当たり前のことですよね。
聞き取れなかったり、意味が分からないことって日本語の会話でもありますよね。
それが英語となるとさらに頻度は増えます。
パートナー同士でも、頼まれた仕事内容が聞き取れないこともあります。
分かったフリをするのが一番良くないこと。
正直に聞き直したら、みんな教えてくれます。
聞き返す時に役立つ役立つ言葉
Sorry, Could you say it again?
(ごめんなさい。もう一度言っていただけますか?)
Sorry! What did you say?
(ごめん!なんて言った?)
4、相手を褒める一言と積極的なスモールトーク
4つ目は、相手を褒める一言と積極的なスモールトークです。
別の記事でスモールトークの具体的な内容やコツについて紹介しています。
相手のヘアスタイルやメイク、身に付けている物を褒めたり、天気や休日といった当たり障りのない話を積極的にしたり。
そういった話をすることで、お客さんとのつながりを深めることができますし、自分も楽しみながら働けますよ。
5、よく来るお客さんの名前とマイドリンクを覚える
5つ目は、よく来るお客さんの名前とマイドリンクを覚えること。
海外のスタバあるあるですが、注文するとカップに名前を書いて誰のドリンクか明確にすることがよくあります。
なので、よく来る常連のお客さんの名前だと比較的覚えやすく、カップに名前を書くうちにその人のマイドリンクもインプットできるようになりますよ。
お客さんとしても、自分のことを覚えてくれる店員がいるお店だと居心地がいいですよね。
6、丁寧さよりもスピード感
6つ目は、丁寧さよりもスピード感。
日本とカナダ、両方のスタバで働いた私の感覚ですが、日本とカナダではお客さんがスタバのサービスに求めるニーズが微妙に違います。
<日本>
丁寧・親切な対応で、トレンドに上がっているドリンクを高いクオリティーで購入したい
<カナダ>
いつもの自分のドリンクをスピーディーに購入したい
あくまでこれは私の考察ですが、端的に言うと
日本=丁寧さ
カナダ=スピード感
だと感じていました。
なので、私は丁寧さよりもいかにスピード感を持ってドリンクを提供できるかに意識を向けていました。
もちろん、丁寧で正確にサービスを行うことも意識していましたし、余裕があればスモールトークをしたり、積極的に話しかけたりもしましたよ。
一緒にシフトに入っているメンバーのバランスや、お客さんの雰囲気に合わせてそこは変えていたと思います。
7、気になったカスタマイズは自分でもトライ!
7つ目は完全に私的なことです。
気になったカスタマイズに自分でもトライしてみること。
カナダのスタバに来る人の多くは、自分のこだわりのカスタマイズドリンクがあって、それぞれの好みやこだわりに合わせて様々です。
日本のスタバにも裏メニューなるものがあって、スタバマニアの方がSNSにこだわりのカスタマイズのやり方を載せていますよね。
お客さんの注文を聞いていると、そういった裏メニューを逆に教えてもらうことが多いんです!
「へー。そんなカスタマイズするんだ。どんな味なんだろう」
と気になったカスタマイズは自分でもトライしてみて、おいしければカスタマイズに悩むお客さんにおすすめしてみたり、教えてくれたお客さんに「あれ試したけど、すごいおいしかったよ!」と伝えたり。
コミュニケーションの足しになります。
日本では考えられない?苦戦するホームレス対応
カフェやファーストフード店でよく見るホームレス
日本のスタバでは考えられない話ですが、カナダのカフェやファーストフード店にはよくホームレスを見かけます。
スタバも例外ではなく、よくホームレスの人が来ます。
実は、カナダではホームレスの増加が社会問題となっており、政府や各州は対応に追われています。
私が暮らしていたバンクーバーもホームレスが多く、中にはあまり治安の良くない場所もあります。
ホームレスがカフェやファーストフード店に居座るのにはいくつかの理由があります。
・その場にいあわせたお客さんからお金をもらうため
・公衆トイレとして利用する
・水や食料をもらうため
・寒さから逃げて屋内で温まるため
・店の商品の窃盗
ホームレスの中には薬物中毒や精神的にトラブルを抱えていて、突然暴言を吐いたり暴れだしたりする人もいます。
実際、私がオープンシフト(朝5時半)に入っていた時に、明らかに雰囲気が怪しいホームレスが大声を上げて暴れだしたことがありました。
たまたま傍に居合わせた警察官(すごい偶然!)が対処してくれたので事なきを得ましたが、もしその時に誰もいなかったらと考えると今でも恐ろしいです。
時には毅然とした態度が求められる
カナダのスタバで働くということは、ホームレスの対応を迫られるということでもあります。
それもかなり日常的に。
他のお客さんの安心や安全を守るために、時には毅然とした態度でホームレス対応を行う必要があります。
私がカナダのスタバの同僚から教えてもらったホームレス対応のコツは
”Cool and steady”
(冷静に落ち着いて)です。
こちらが感情的になると、向こうはさらに事を大きくしかねません。
淡々とnoならno、立ち去ってもらう必要があるならYou need to leave here.
遠慮や同情といった表現を入れる方法もありますが、私の同僚はあまりすすめませんでした。
ホームレスにもプライドがあり、見下されたり馬鹿にされているような表現にとても敏感なので、遠慮や同情の表現が見下しているように受け取られる可能性があるから。
Cool and steadyが一番シンプルで実行しやすいと私は感じました。
状況に合わせた最適解を
ただ、状況に合わせて最適解は異なります。
私の友人が働いていたローカルカフェでは、ホームレスが来ると売れ残った食品やドリンクを無料で提供していたそうです。
私の働いていたスタバでは水以外の物は渡しませんでした。
店内に長居するのも断っていましたし、他のお客さんにお金を頼む行為も禁止していました。
ただ、バンクーバーの同じスタバでも対応は様々だったようで、状況や場面によって最適解はちがうようでした。
余談ですが、私のお店にホームレスが商品の窃盗をした時、私は追いかけようとしたのですが、マネージャーに止められました。
「もし相手が刃物や拳銃を持っていたらどうするの?!商品は盗まれたら買い戻せるけど、あなたの命がなくなったら戻せないでしょ!」
ホームレスに対して強気に出なければと考えていた私でしたが、相手が何を持っているか分からないという所まで想像力が足らず、マネージャーに言われて寒気を感じたのを今でも覚えています。
状況に合わせてどういった対応が最適なのか、チームに相談しておくことも大切ですね。
まとめ
カナダのスタバで働くうえで、私が大切にしていた7つのことを紹介しました。
日本でも当たり前と感じることだったのではないでしょうか。
私もそう思います。
だから、カナダのスタバで働くのは『日本で当たり前のように行っていること+英語』というイメージで、特別ハードルが高いことではないんです。
その『英語』の部分に課題を感じることが多いですが、英語力の習得には時間が必要です。
少しずつ時間を掛けて耳や口を英語に鳴らして順応させていけばきっと大丈夫。
これからカナダのスタバで働く、働きたいと思う人の背中を押せたら嬉しいです。
ポイント
<スタバのパートナーにとって大切なことは世界共通>
・サードプレイスを提供すること
・お客さんとのつながりを大切にしたサービス
<私がカナダのスタバで働く時に心掛けた7つのこと>
1、英語ができなくても凹まない!
2、まずは分かる英語をつなげて推測する!
3、そして分からない時は聞く
4、相手を褒める一言と積極的なスモールトーク
5、よく来るお客さんの名前とマイドリンクを覚える
6、丁寧さよりもスピード感
7、気になったカスタマイズは自分でもトライ!
<日本では考えられない?苦戦するホームレス対応>
・カフェやファーストフード店でよく見るホームレス
・時には毅然とした態度が求められる
・状況に合わせた最適解を